第8話
いつもはバイク派の不二子だが、今日は綾を乗せるためにミニクーパーを運転している。
綾は黙ってハンドルを握っている不二子をチラチラと盗み見ていた。
次元のよこした電話の内容が気になって仕方がない。
「とりあえずアジトへ帰るわよ」
「あ、うん」
綾は戸惑いながら頷いた。
「どうしたの……って、訊いてもいい?」
不二子が口を開こうとした時、突然フロントガラスが砕けた。
銃撃だ。
「きゃ……!」
咄嗟に頭を抱えて身を低くする。
「なによ! いきなり撃つことないじゃない!」
不二子は文句を言いながら、そっと首を伸ばして前方を確認した。
狙撃犯は目視できず、どこから発砲してきたのか不明だ。
不二子は低い体勢のまま、ギアをバックに入れてハンドルを握り、アクセルを踏んだ。
「不二子さ……!」
綾は顔を上げて不二子を見た。
「黙ってて! 舌噛むわよ!」
車は勢いよくスイッチバックし、反対方向へ走り出す。
銃撃で左のサイドミラーが吹き飛んだ。
綾は黙ってハンドルを握っている不二子をチラチラと盗み見ていた。
次元のよこした電話の内容が気になって仕方がない。
「とりあえずアジトへ帰るわよ」
「あ、うん」
綾は戸惑いながら頷いた。
「どうしたの……って、訊いてもいい?」
不二子が口を開こうとした時、突然フロントガラスが砕けた。
銃撃だ。
「きゃ……!」
咄嗟に頭を抱えて身を低くする。
「なによ! いきなり撃つことないじゃない!」
不二子は文句を言いながら、そっと首を伸ばして前方を確認した。
狙撃犯は目視できず、どこから発砲してきたのか不明だ。
不二子は低い体勢のまま、ギアをバックに入れてハンドルを握り、アクセルを踏んだ。
「不二子さ……!」
綾は顔を上げて不二子を見た。
「黙ってて! 舌噛むわよ!」
車は勢いよくスイッチバックし、反対方向へ走り出す。
銃撃で左のサイドミラーが吹き飛んだ。