クリスマス

俺は手紙を美湖に届けた。

「綾からだ。サンタへ渡してほしいとさ」

「なんて可愛い子なんでしょう」

美湖は手紙を読んでクスクス笑うと、俺に手紙を差し出した。

「お願いね、サンタさん」

唇の端に笑みを残したまま、美湖は研究室へと消えた。

通路に残された俺はゆっくりと手紙を開く。

年齢のわりにしっかりとした字でサンタへのお願いが書かれていた。

『お友達が欲しいです。一緒にクリスマスパーティができるといいな』

いったいどうしろってんだ。

俺はため息をついた。
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