第7話

アジトにて。
ルパンに促され、綾はUSBメモリのファイルを開いた。
なんとなく気味の悪い曲に、綾はルパンを振り返った。
「こんな曲、私のパソコンにはなかったはず……」
「パパさんが意図的に消しておいたんだ。いつか君に見つけてもらえると信じて」
綾は首を傾げた
「この曲を、パパが……?」
「違う違う。これは曲じゃないんだ」
ルパンは笑い、綾の背後から手を伸ばしてキーボードを叩いた。
「再生スピードを変えるんだ。そうすると……」
『綾。愛しい綾へ……』
聞こえてきたのは、なつかしい声だった。
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