第6話
社長室。
鍵を壊しドアを蹴破ると、中には不二子がいた。
両手を後ろ手に縛られ、床に転がされている。
他には誰もいなかった。
「あらら。どったの? 不二子。仲間割れ?」
「どうしたもこうしたもないわよ!」
不二子は芋虫みたいにクネクネ動きながら言った。
「あいつ、綾ちゃんが手に入ったら掌を返して! 私は用無しだって言ったのよ!」
「そりゃお気の毒サマ」
「ルパンお願い。助けて」
不二子は瞳を潤ませてルパンを見上げた。
「綾はどこだ」
次元が尋ねた。
「誤解しないでよ。私は綾ちゃんを切り札に、あいつと取り引きしようとしただけ。なのに居場所がバレて捕まっちゃっただけなんだから」
「うるせぇ。そんな事はどうでも良い。綾はどこだ」
「……ワンフロア下の研究室よ」
ルパンは次元と顔を見合わせ、小さく頷いた。
次元が部屋を飛び出していく。
遠くで怒号と銃声。
「次元の奴、かなりご立腹だよ……」
「いいから早く縄をほどいて頂戴」
不二子に催促され、ルパンは意地悪そうに不二子を見た。
「どうしようかなぁ」
「助けてくれたら、お礼は何でもするわ」
「……ホントに?」
ルパンは不二子を抱き起こした。
不二子に顔を寄せる。
キスひとつなんて安い男、と不二子が内心思った瞬間、ルパンは彼女の胸の谷間からUSBメモリを抜き出した。
「隠し場所変えた方が良いよ、不二子ちゃん」
「あっ、それは……」
「水エネルギーシステムの設計図、だろ? お礼に頂いてくよ」
ルパンは不二子に背を向け、ドアに向かった。
「ちょっと! ほどいて行きなさいよ!」
不二子が叫んだ。
ルパンは入口で振り返り、ナイフを投げた。
ナイフが不二子を縛っていたロープを断ち切る。
「ねぇルパン、その設計図だけど……」
不二子が立ち上がった時には、すでにルパンの姿はなかった。
鍵を壊しドアを蹴破ると、中には不二子がいた。
両手を後ろ手に縛られ、床に転がされている。
他には誰もいなかった。
「あらら。どったの? 不二子。仲間割れ?」
「どうしたもこうしたもないわよ!」
不二子は芋虫みたいにクネクネ動きながら言った。
「あいつ、綾ちゃんが手に入ったら掌を返して! 私は用無しだって言ったのよ!」
「そりゃお気の毒サマ」
「ルパンお願い。助けて」
不二子は瞳を潤ませてルパンを見上げた。
「綾はどこだ」
次元が尋ねた。
「誤解しないでよ。私は綾ちゃんを切り札に、あいつと取り引きしようとしただけ。なのに居場所がバレて捕まっちゃっただけなんだから」
「うるせぇ。そんな事はどうでも良い。綾はどこだ」
「……ワンフロア下の研究室よ」
ルパンは次元と顔を見合わせ、小さく頷いた。
次元が部屋を飛び出していく。
遠くで怒号と銃声。
「次元の奴、かなりご立腹だよ……」
「いいから早く縄をほどいて頂戴」
不二子に催促され、ルパンは意地悪そうに不二子を見た。
「どうしようかなぁ」
「助けてくれたら、お礼は何でもするわ」
「……ホントに?」
ルパンは不二子を抱き起こした。
不二子に顔を寄せる。
キスひとつなんて安い男、と不二子が内心思った瞬間、ルパンは彼女の胸の谷間からUSBメモリを抜き出した。
「隠し場所変えた方が良いよ、不二子ちゃん」
「あっ、それは……」
「水エネルギーシステムの設計図、だろ? お礼に頂いてくよ」
ルパンは不二子に背を向け、ドアに向かった。
「ちょっと! ほどいて行きなさいよ!」
不二子が叫んだ。
ルパンは入口で振り返り、ナイフを投げた。
ナイフが不二子を縛っていたロープを断ち切る。
「ねぇルパン、その設計図だけど……」
不二子が立ち上がった時には、すでにルパンの姿はなかった。