第5話
綾の自宅。
「おジャマしまーす」
ルパンは挨拶をして部屋に入った。
後ろで次元が呆れている。
「うはっ、さすが女の子だね。かっわいいお部屋!」
「うへっ、さすが学者の娘。難しい本ばっか!」
ルパンがいちいち声を上げた。
「うるせぇな」
「見て見て次元! こんなの落ちてた」
振り向くと、ルパンは指に布切れを引っ掛けクルクル回していた。
もう片方の指を引っ掛けビヨーンと広げたのは、ラベンダー色のパンティ。
「やめろ」
「フリフリだぁ。かっわいいー」
ルパンはまたも指でクルクル回しながら、散らかったままの部屋を見て歩く。
「何探してんだ」
「これとお揃いのブラジャー」
沈黙。
「ってのはウッソ」
「……ぶん殴られてぇのか」
その時、遠心力でルパンの指からパンティが外れた。
「あっ。飛んでっちゃった」
「遊んでねぇでサッサと目当てのモンを探せ」
「ハイハイ……」
ルパンは壁際のデスクに歩み寄り、卓上を引っ掻き回し始めた。
「お宝を探すとか何とか言ってたが……水エネルギーシステムに関する何かが出てくると思ってるのか?」
「敵の皆さんがこれだけ荒らしても見つけらんないんだぜ。無いと思うね」
「じゃ、てめぇは何を探してんだ」
「……おっ、あった」
ルパンは本の下敷きになっていた小さなノートパソコンの電源を入れた。
「データは残ってる」
「これといって特別なモンはねぇみたいだが」
「目につくとこにあったらすぐ見つかっちゃうでしょーが」
ルパンは持参したUSBメモリを取り出した。
「消えたデータを復元させるんだ」
「ふーん」
次元は理解してないか興味がないかのどちらかだった。
ルパンはしばらくキーボードを叩き続け、復元したファイルを開いた。
音楽ファイルからメロディーが流れる。
「……なんか気持ち悪い曲だな」
しばし聞いていたが、次元の言葉と共にルパンは再生を止める。
音を外している訳でも不協和音でもないが、何となく不快な音楽だ。
ルパンはUSBメモリにファイルを移し、ポケットに入れた。
「気に入ったのか?」
「違わいっ。これがリビングに落ちてたんだ」
ルパンは数冊の本を次元に見せた。
「心理学的な本ばかりだ」
「な? そういう事だよ」
「……どういう事だよ」
ルパンはため息をついた。
「だーかーら、催眠術だよ! 綾ちゃんは催眠術をかけられてんの! 彼女の記憶にズレがあるのはそのせい!」
次元は胡散臭そうにルパンを見た。
「催眠術って……アレだろ? 椅子から立てなくなったり、嫌いなモンがパクパク食べられたりする」
「そう」
次元は本を開いた。父親の字で沢山の書き込みがされている。
「次元。綾ちゃんに催眠術がかけられた訳、な何だと思う?」
「まさか……水エネルギーシステムだなんて言うんじゃ……」
「ピンポーン! 彼女はその潜在意識の中に水エネルギーシステムについての何らかの知識を持ってる」
ルパンは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「水エネルギーシステム、頂いちゃいましょう、次元ちゃん! 世紀の大発見を!」
「頂くったって……どうやって」
「任せとけって」
ルパンはUSBメモリをポケットの上から叩いてみせた。
「このファイルが鍵だ」
「おジャマしまーす」
ルパンは挨拶をして部屋に入った。
後ろで次元が呆れている。
「うはっ、さすが女の子だね。かっわいいお部屋!」
「うへっ、さすが学者の娘。難しい本ばっか!」
ルパンがいちいち声を上げた。
「うるせぇな」
「見て見て次元! こんなの落ちてた」
振り向くと、ルパンは指に布切れを引っ掛けクルクル回していた。
もう片方の指を引っ掛けビヨーンと広げたのは、ラベンダー色のパンティ。
「やめろ」
「フリフリだぁ。かっわいいー」
ルパンはまたも指でクルクル回しながら、散らかったままの部屋を見て歩く。
「何探してんだ」
「これとお揃いのブラジャー」
沈黙。
「ってのはウッソ」
「……ぶん殴られてぇのか」
その時、遠心力でルパンの指からパンティが外れた。
「あっ。飛んでっちゃった」
「遊んでねぇでサッサと目当てのモンを探せ」
「ハイハイ……」
ルパンは壁際のデスクに歩み寄り、卓上を引っ掻き回し始めた。
「お宝を探すとか何とか言ってたが……水エネルギーシステムに関する何かが出てくると思ってるのか?」
「敵の皆さんがこれだけ荒らしても見つけらんないんだぜ。無いと思うね」
「じゃ、てめぇは何を探してんだ」
「……おっ、あった」
ルパンは本の下敷きになっていた小さなノートパソコンの電源を入れた。
「データは残ってる」
「これといって特別なモンはねぇみたいだが」
「目につくとこにあったらすぐ見つかっちゃうでしょーが」
ルパンは持参したUSBメモリを取り出した。
「消えたデータを復元させるんだ」
「ふーん」
次元は理解してないか興味がないかのどちらかだった。
ルパンはしばらくキーボードを叩き続け、復元したファイルを開いた。
音楽ファイルからメロディーが流れる。
「……なんか気持ち悪い曲だな」
しばし聞いていたが、次元の言葉と共にルパンは再生を止める。
音を外している訳でも不協和音でもないが、何となく不快な音楽だ。
ルパンはUSBメモリにファイルを移し、ポケットに入れた。
「気に入ったのか?」
「違わいっ。これがリビングに落ちてたんだ」
ルパンは数冊の本を次元に見せた。
「心理学的な本ばかりだ」
「な? そういう事だよ」
「……どういう事だよ」
ルパンはため息をついた。
「だーかーら、催眠術だよ! 綾ちゃんは催眠術をかけられてんの! 彼女の記憶にズレがあるのはそのせい!」
次元は胡散臭そうにルパンを見た。
「催眠術って……アレだろ? 椅子から立てなくなったり、嫌いなモンがパクパク食べられたりする」
「そう」
次元は本を開いた。父親の字で沢山の書き込みがされている。
「次元。綾ちゃんに催眠術がかけられた訳、な何だと思う?」
「まさか……水エネルギーシステムだなんて言うんじゃ……」
「ピンポーン! 彼女はその潜在意識の中に水エネルギーシステムについての何らかの知識を持ってる」
ルパンは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「水エネルギーシステム、頂いちゃいましょう、次元ちゃん! 世紀の大発見を!」
「頂くったって……どうやって」
「任せとけって」
ルパンはUSBメモリをポケットの上から叩いてみせた。
「このファイルが鍵だ」