第4話

「綾ちゃんがおかしいって、そりゃどういう事だ?」
ルパンが聞き返す。
「彼女の記憶にズレがある」
次元は綾の様子を説明した。
「なるほど。ほんじゃ、綾ちゃんは偽者って事かもな」
「それは……」
次元は口ごもった。
変相なんて簡単だ。特に女は、化粧で如何様にでもなる。
しかし、次元は綾に懐かしさの様なものを感じ始めていた。
彼女の仕草が、態度が、あの頃を思い出させる。
それに……そう、ミコの約束は綾しか知り得ない事だ。
そんな心の内をルパンに上手く説明できそうにない次元は、やや不機嫌そうに答えた。
「他に説明のつく理由があるか?」
「俺に訊くなっつーの……」
ルパンは肩をすくめた。
「なぁ次元。明日、綾ちゃんの家に行ってみようぜ」
「何するつもりだ?」
「探してみようじゃないの」
ルパンは何か面白い事を思い付いた様に、その瞳を煌めかせた。
「隠されたお宝をさ」



つづく
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