Mの襲来
name change
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「こんにちは、お嬢さん」
モリアーティはアオイを立ち上がらせ、丁寧に挨拶をした。
彼女の手にそっとキスを落とす。
驚いた彼女はパッと手を引っ込めた。
「あ、は、はじめまして……」
アオイが恥ずかしそうに挨拶を返すのを、ホームズは険しい顔で見つめていた。
「もう良いだろう。さっさと帰りたまえ」
「ホームズさん、そんな失礼なこと……よかったらお茶でもいかがですか?」
事情を知らないアオイはホームズの心配をよそにモリアーティを引き留めたのだった。
「ねえ君、お名前は?」
にこやかに微笑みながらモリアーティはアオイの両手を握って話しかけた。
アオイがアイリーン・アドラーほど冷静で勘の鋭い女性なら、ホームズもこんなに険悪な態度はとらないだろう。
しかし彼女はモリアーティの真意などまるで気づかず、警戒心のかけらもないのだった。
「知らなかったよ。ホームズ君にこんな可愛い女性がいるなんて」
「いえ、私はただの助手で……」
「へぇ、そうなんだ。こんなに可愛いのに手も出さないなんて、まさかホームズ君て、BとLのヒト?」
ガタン。
煙草を吸おうとしたホームズは動揺してパイプを取り落した。
「あ、違う? じゃあ、コッチ系か」
モリアーティは右手の甲を左頬につけてウインクした。
ゴトッ。
ホームズは一度拾いあげたパイプをお手玉したあげく、結局床に落としてしまった。
アオイが怪訝そうな顔で振り向く。
「大丈夫ですか、ホームズさん」
「き、気にしないでくれ。手が滑っただけだ」
モリアーティはクスクス笑っている。
私はホームズに近寄り小声で訊ねた。
「本当にあれがモリアーティなのか?」
「あぁ、そうだ」
「ナポレオン・オブ・クライム?」
「そう」
アオイに対して接触過多なのを除けば、モリアーティはとても友好的に見える。
「危険な男には見えないんだが……」
「そこが恐ろしい所なんだよ、ワトソン」
ホームズは憤った様子で早口でまくし立てた。
「奴はあの甘いマスクと優しい声で、数え切れないほど多くの女性を泣かせてきた」
「え……?」
「一見そうは見えないだろう。そこが恐ろしいんだ。一見穏やかな田舎の風景だって、実は人知れず恐ろしい犯罪が行われていたりする。1827年の赤い屋根の事件を思い出してみたまえ。誰があんなのどかな村であんな恐ろしい事件が起きると想像した?」
「ええと……」
「アオイがみすみす奴の毒牙にかかるのを黙って見ていられるか。何としても食い止めないと」
「…………」
とりあえず命の危険はなさそうだ。
モリアーティはアオイを立ち上がらせ、丁寧に挨拶をした。
彼女の手にそっとキスを落とす。
驚いた彼女はパッと手を引っ込めた。
「あ、は、はじめまして……」
アオイが恥ずかしそうに挨拶を返すのを、ホームズは険しい顔で見つめていた。
「もう良いだろう。さっさと帰りたまえ」
「ホームズさん、そんな失礼なこと……よかったらお茶でもいかがですか?」
事情を知らないアオイはホームズの心配をよそにモリアーティを引き留めたのだった。
「ねえ君、お名前は?」
にこやかに微笑みながらモリアーティはアオイの両手を握って話しかけた。
アオイがアイリーン・アドラーほど冷静で勘の鋭い女性なら、ホームズもこんなに険悪な態度はとらないだろう。
しかし彼女はモリアーティの真意などまるで気づかず、警戒心のかけらもないのだった。
「知らなかったよ。ホームズ君にこんな可愛い女性がいるなんて」
「いえ、私はただの助手で……」
「へぇ、そうなんだ。こんなに可愛いのに手も出さないなんて、まさかホームズ君て、BとLのヒト?」
ガタン。
煙草を吸おうとしたホームズは動揺してパイプを取り落した。
「あ、違う? じゃあ、コッチ系か」
モリアーティは右手の甲を左頬につけてウインクした。
ゴトッ。
ホームズは一度拾いあげたパイプをお手玉したあげく、結局床に落としてしまった。
アオイが怪訝そうな顔で振り向く。
「大丈夫ですか、ホームズさん」
「き、気にしないでくれ。手が滑っただけだ」
モリアーティはクスクス笑っている。
私はホームズに近寄り小声で訊ねた。
「本当にあれがモリアーティなのか?」
「あぁ、そうだ」
「ナポレオン・オブ・クライム?」
「そう」
アオイに対して接触過多なのを除けば、モリアーティはとても友好的に見える。
「危険な男には見えないんだが……」
「そこが恐ろしい所なんだよ、ワトソン」
ホームズは憤った様子で早口でまくし立てた。
「奴はあの甘いマスクと優しい声で、数え切れないほど多くの女性を泣かせてきた」
「え……?」
「一見そうは見えないだろう。そこが恐ろしいんだ。一見穏やかな田舎の風景だって、実は人知れず恐ろしい犯罪が行われていたりする。1827年の赤い屋根の事件を思い出してみたまえ。誰があんなのどかな村であんな恐ろしい事件が起きると想像した?」
「ええと……」
「アオイがみすみす奴の毒牙にかかるのを黙って見ていられるか。何としても食い止めないと」
「…………」
とりあえず命の危険はなさそうだ。