空家の冒険?
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事件後、ホームズはベーカー街へ戻ってきた。
今は調書を作るためにやってきた警官に事件のあらましを話して聞かせている。
「……という訳だ。向かいの空き家に見知らぬ男がいるのを何度か見かけたから気をつけてはいたが、僕自身を狙ってくると思っていたのでね」
警官はホームズの話を細かく手帳に書き込んでいる。
警官がペンを走らせる間、口をつぐんでいると、ふいにアオイの弾んだ声が耳に飛び込んでくる。
「でねっ、ホームズさんがねっ、私に怪我させたら地の果てまで追っかけてって地獄に突き落としてやるって、すごい迫力で迫ってね……!」
彼女は事件の顛末を嬉々として喋っている。
特に、ホームズにとって一番話してほしくない部分を。
レストレード、ハドソン夫人ときて、今はワトソンが相手だ。
「アオイ!」
ホームズは思わず立ち上がった。
「君はまたその話を……よさないか!」
「えっ? なんで?」
アオイはキョトンとしている。
真っ赤になっているホームズを見たワトソンは堪らず噴き出した。
「くっくっ……わかってるよホームズ。これはそのまま本にはしない。アオイの事は書かないし、ちゃんとアレンジするから。モラン大佐とホームズの対決、もうあらすじはできてるんだ」
ホームズは了承するか拒否するか逡巡した。
ワトソンはニヤニヤ笑っている。
弱みを握られた気分がして、ホームズはブスッとしたままソファに沈み込んだ。
この後できた小説が、あの『空き家の冒険』である。
おわり
今は調書を作るためにやってきた警官に事件のあらましを話して聞かせている。
「……という訳だ。向かいの空き家に見知らぬ男がいるのを何度か見かけたから気をつけてはいたが、僕自身を狙ってくると思っていたのでね」
警官はホームズの話を細かく手帳に書き込んでいる。
警官がペンを走らせる間、口をつぐんでいると、ふいにアオイの弾んだ声が耳に飛び込んでくる。
「でねっ、ホームズさんがねっ、私に怪我させたら地の果てまで追っかけてって地獄に突き落としてやるって、すごい迫力で迫ってね……!」
彼女は事件の顛末を嬉々として喋っている。
特に、ホームズにとって一番話してほしくない部分を。
レストレード、ハドソン夫人ときて、今はワトソンが相手だ。
「アオイ!」
ホームズは思わず立ち上がった。
「君はまたその話を……よさないか!」
「えっ? なんで?」
アオイはキョトンとしている。
真っ赤になっているホームズを見たワトソンは堪らず噴き出した。
「くっくっ……わかってるよホームズ。これはそのまま本にはしない。アオイの事は書かないし、ちゃんとアレンジするから。モラン大佐とホームズの対決、もうあらすじはできてるんだ」
ホームズは了承するか拒否するか逡巡した。
ワトソンはニヤニヤ笑っている。
弱みを握られた気分がして、ホームズはブスッとしたままソファに沈み込んだ。
この後できた小説が、あの『空き家の冒険』である。
おわり