そんなに寂しいなら、
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「ごえも~ん!」
パタパタと駆けて来る足音がした。
また始まったな。
次元は顔をあげ、リビングに姿を見せた綾を見た。
「ごえもーん! ルパンがいじめたー!」
彼女はベソをかきながら五エ門の膝にすがりつく。
いい年をして、青い猫型ロボットに泣きつくメガネの小学生さながらだ。
そして五エ門はいつも、こうして彼女がやって来るたびに話を聞いてやり、あやし、なだめ、時には忠告し、時には解決法を授けてやったりしている。
そのうちサラシの中から未来の便利道具でも出すんじゃないだろうか、と次元は思った。
「こらこら、手入れ中は危ないから近寄るなと言っただろう」
斬鉄剣の手入れをしていた五エ門は慌てて万歳をして刀身を彼女から遠ざける。
「だって、ルパンが……」
「ルパンがどうした」
どうにか刀を鞘におさめてから、五エ門は綾を見た。
五エ門に見つめられた彼女は少し言いにくそうに口ごもっていたが、やがて拗ねたような顔をして口を開いた。
「最近、冷たいの。話しかけてもこっち向いてくれないし、生返事ばっかり……」
「ルパンは仕事の準備中だ。集中しているんだから無理もない」
「でも、不二子ちゃんとは普通に話をしてるし……」
寂しいんだもん、と綾は小さく呟いた。
五エ門はよしよし、と頭を撫でる。
「準備を怠ればお主を危険にさらす。ルパンはそれを1番恐れているんだ」
「…………」
「不二子は仕事の話だから対応しているだけだろう」
「…………」
「そんなに寂しいなら、ルパンをやめて拙者にするか?」
五エ門は綾の顔を覗き込んだ。
彼女は一瞬じっと五エ門を見つめ返したが、やがてフルフルと首を振った。
「ルパンが良い」
「なら、そんな顔をするな」
五エ門はサラシの中から何やら取り出して綾に差し出した。
便利道具か?
次元は首を伸ばして五エ門の差し出した物を見る。
「食べるか、飴ちゃん」
綾はチラッとサラシを見、それから少し眉根をよせて首を振った。
「いらない」
でもありがとう、と微笑んで綾はリビングを出て行った。
取り残された五エ門は差し出した手を引っ込めようともせず、視線をめぐらせた。
次元と目が合う。
「…………」
次元が何も言わずにいると、五エ門はその手を次元に差し出した。
「……飴ちゃん」
「いらん」
次元は即座に断った。
おわり
パタパタと駆けて来る足音がした。
また始まったな。
次元は顔をあげ、リビングに姿を見せた綾を見た。
「ごえもーん! ルパンがいじめたー!」
彼女はベソをかきながら五エ門の膝にすがりつく。
いい年をして、青い猫型ロボットに泣きつくメガネの小学生さながらだ。
そして五エ門はいつも、こうして彼女がやって来るたびに話を聞いてやり、あやし、なだめ、時には忠告し、時には解決法を授けてやったりしている。
そのうちサラシの中から未来の便利道具でも出すんじゃないだろうか、と次元は思った。
「こらこら、手入れ中は危ないから近寄るなと言っただろう」
斬鉄剣の手入れをしていた五エ門は慌てて万歳をして刀身を彼女から遠ざける。
「だって、ルパンが……」
「ルパンがどうした」
どうにか刀を鞘におさめてから、五エ門は綾を見た。
五エ門に見つめられた彼女は少し言いにくそうに口ごもっていたが、やがて拗ねたような顔をして口を開いた。
「最近、冷たいの。話しかけてもこっち向いてくれないし、生返事ばっかり……」
「ルパンは仕事の準備中だ。集中しているんだから無理もない」
「でも、不二子ちゃんとは普通に話をしてるし……」
寂しいんだもん、と綾は小さく呟いた。
五エ門はよしよし、と頭を撫でる。
「準備を怠ればお主を危険にさらす。ルパンはそれを1番恐れているんだ」
「…………」
「不二子は仕事の話だから対応しているだけだろう」
「…………」
「そんなに寂しいなら、ルパンをやめて拙者にするか?」
五エ門は綾の顔を覗き込んだ。
彼女は一瞬じっと五エ門を見つめ返したが、やがてフルフルと首を振った。
「ルパンが良い」
「なら、そんな顔をするな」
五エ門はサラシの中から何やら取り出して綾に差し出した。
便利道具か?
次元は首を伸ばして五エ門の差し出した物を見る。
「食べるか、飴ちゃん」
綾はチラッとサラシを見、それから少し眉根をよせて首を振った。
「いらない」
でもありがとう、と微笑んで綾はリビングを出て行った。
取り残された五エ門は差し出した手を引っ込めようともせず、視線をめぐらせた。
次元と目が合う。
「…………」
次元が何も言わずにいると、五エ門はその手を次元に差し出した。
「……飴ちゃん」
「いらん」
次元は即座に断った。
おわり