Money, Money, Money
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珍しい事もあるものだ。
綾が帳簿をつけている。
「えーと、パイナップル(手榴弾)1ケース……ねぇ、パイナップルって何費?」
「…… 消耗品費で良いんじゃね?」
新聞を広げて爪を切りながら、気のない様子でルパンが答える。
「情報屋さんへの報酬は?」
「交際費」
「次元の帽子」
「職員被服費」
適当である。
生来、どんぶり勘定のルパンファミリーであるから無理もない。
「だいたいさぁ、そんなモンつけてどうしようっての」
ルパンが訊ねた。
もちろん、綾とて確定申告をしようなどと考えている訳ではない。
「収支を明確にして経費の無駄をね…… あぁ、このままいくと再来月あたりちょっと厳しそう」
電卓を叩いて綾が呻いた。
「経費の無駄とやらは分かったのか」
おおよその検討はついているが、次元は一応確認する。
「交際費。大半は不二子ちゃんへの貢ぎ物。情報屋さんの支払いより多いの」
「だとよ、ルパン。ちょっとは自重しろ」
「うるせー」
ルパンは眉を釣り上げた。
「金がないなら調達するまでよ」
「どうするの?」
「そりゃあ、シスコ銀行なんかからちょっくら……」
「ルパンともあろうものが、今どき銀行強盗? ボニー&クライドもビックリだわ」
「可愛くねぇな、この口は」
ルパンは憎まれ口を叩く綾の頬を摘んで引っ張った。
「別にカジノの金庫だって良いんだぜ、俺は」
「ソホイフホホヘハハインヘフー(訳:そーいう事ではないんですぅ)。もうっ、やめてよ!」
綾はルパンの手を振り払った。
赤くなった頬を不機嫌そうにさする。
「現ナマを強奪しようって考えが古いって言ってるの。セキュリティもどんどん厳しくなってるし、労力の無駄遣いだよ」
「金がねぇって言ったのはこの口じゃなかったっけか?」
ルパンはすばやく腕を伸ばして、再度綾の頬を摘んだ。
「お前ホント、ほっぺた柔らけーのな」
ニヤニヤしながら引っ張る。
「ハハラ(訳:だから)、やめてってば! 殺されたい⁉︎」
綾はルパンの手を叩き落とした。
「現金じゃなきゃ、何盗むってんだ。インゴットか、宝石か? 換金に手間取るぞ」
「左様。セキャリティは大して変わらんし、かえって面倒だ」
次元も五エ門も怪訝そうな顔をする。
それを見た綾はため息をついた。
この男どもは、金は金庫にある物だけだと思っているらしい。
「他にもあるでしょうが。ほら、ビットコイン!」
「コイン?」
「ゲームのやつだろ。髭に帽子の配管工がブロック叩いたり亀やキノコ倒してチャリーン! って貰うやつ」
ぜんぜん違う。
綾は頭を抱えた。
綾が帳簿をつけている。
「えーと、パイナップル(手榴弾)1ケース……ねぇ、パイナップルって何費?」
「…… 消耗品費で良いんじゃね?」
新聞を広げて爪を切りながら、気のない様子でルパンが答える。
「情報屋さんへの報酬は?」
「交際費」
「次元の帽子」
「職員被服費」
適当である。
生来、どんぶり勘定のルパンファミリーであるから無理もない。
「だいたいさぁ、そんなモンつけてどうしようっての」
ルパンが訊ねた。
もちろん、綾とて確定申告をしようなどと考えている訳ではない。
「収支を明確にして経費の無駄をね…… あぁ、このままいくと再来月あたりちょっと厳しそう」
電卓を叩いて綾が呻いた。
「経費の無駄とやらは分かったのか」
おおよその検討はついているが、次元は一応確認する。
「交際費。大半は不二子ちゃんへの貢ぎ物。情報屋さんの支払いより多いの」
「だとよ、ルパン。ちょっとは自重しろ」
「うるせー」
ルパンは眉を釣り上げた。
「金がないなら調達するまでよ」
「どうするの?」
「そりゃあ、シスコ銀行なんかからちょっくら……」
「ルパンともあろうものが、今どき銀行強盗? ボニー&クライドもビックリだわ」
「可愛くねぇな、この口は」
ルパンは憎まれ口を叩く綾の頬を摘んで引っ張った。
「別にカジノの金庫だって良いんだぜ、俺は」
「ソホイフホホヘハハインヘフー(訳:そーいう事ではないんですぅ)。もうっ、やめてよ!」
綾はルパンの手を振り払った。
赤くなった頬を不機嫌そうにさする。
「現ナマを強奪しようって考えが古いって言ってるの。セキュリティもどんどん厳しくなってるし、労力の無駄遣いだよ」
「金がねぇって言ったのはこの口じゃなかったっけか?」
ルパンはすばやく腕を伸ばして、再度綾の頬を摘んだ。
「お前ホント、ほっぺた柔らけーのな」
ニヤニヤしながら引っ張る。
「ハハラ(訳:だから)、やめてってば! 殺されたい⁉︎」
綾はルパンの手を叩き落とした。
「現金じゃなきゃ、何盗むってんだ。インゴットか、宝石か? 換金に手間取るぞ」
「左様。セキャリティは大して変わらんし、かえって面倒だ」
次元も五エ門も怪訝そうな顔をする。
それを見た綾はため息をついた。
この男どもは、金は金庫にある物だけだと思っているらしい。
「他にもあるでしょうが。ほら、ビットコイン!」
「コイン?」
「ゲームのやつだろ。髭に帽子の配管工がブロック叩いたり亀やキノコ倒してチャリーン! って貰うやつ」
ぜんぜん違う。
綾は頭を抱えた。