携帯電話
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「携帯電話、とな……」
五エ門は手にしたスマートフォンをしげしげと見つめた。
「こんな小さな物が電話とは……信じられん」
「今時スマホを知らないのなんて、五エ門とサ○エさん一家ぐらいだよ」
綾はクスクス笑っている。
とりあえず説明書を見ようと紙袋を覗いた。
「説明書はないよ。だって、見ればわかるでしょ?」
さっきから穴が開くほど見つめているのだが、見つめ方が足りないのだろうか。
「えー……電源はどこだ」
「上のボタン長押し。そいでロック画面は指でスライドするの」
綾は五エ門の方に身を乗り出してボタンを押し、スライドロックを解除する。
「ほら、できた」
得意顔の綾とスマートフォンを交互に見つめ、五エ門は黙っていた。
電源が入ってロックが解除されたから何だと言うのだ。
「某はべつにこんな物……」
急いで連絡しなきゃならない人も、切羽詰った状況もない。
つまり、電話を肌身離さず持ち歩く必要が彼にはなかった。
「五エ門!」
全然分かってないと綾は嘆かわしそうに首を振る。
「たとえば綺麗な夕日を見た時、これを誰かに見せたいなーって思ったりするでしょ? そんな時これがあれば、」
綾は五エ門の真横に座り、腕を伸ばしてスマートフォンをかざした。
小首を傾げて肩にもたれた彼女からシャンプーの香りがして、五エ門は思わずドギマギする。
ほどなくシャッター音が鳴った。
「はい、撮れた」
そっと綾の手元をのぞくと、画面には今撮ったばかりのツーショット写真。
綾がとびっきり可愛く微笑んでいる。
これはこれでいいのだが……。
「カメラで十分なのでは?」
五エ門は心に浮かんだ疑問を素直に口にした。
「あのねぇ。スマホはね、撮った写真をすぐメールで送ったりできるんだよ。 その場に自分しかいなくても、すぐに言いたいことが伝えられて、一緒に見たい物が共有できて!」
綾は五エ門の手にスマートフォンを押し付けた。
「これで、あなたがどこで修業してても私は一緒にいられる!」
可愛い笑顔で見上げる彼女に、五エ門は何も言えなくなった。
五エ門は手にしたスマートフォンをしげしげと見つめた。
「こんな小さな物が電話とは……信じられん」
「今時スマホを知らないのなんて、五エ門とサ○エさん一家ぐらいだよ」
綾はクスクス笑っている。
とりあえず説明書を見ようと紙袋を覗いた。
「説明書はないよ。だって、見ればわかるでしょ?」
さっきから穴が開くほど見つめているのだが、見つめ方が足りないのだろうか。
「えー……電源はどこだ」
「上のボタン長押し。そいでロック画面は指でスライドするの」
綾は五エ門の方に身を乗り出してボタンを押し、スライドロックを解除する。
「ほら、できた」
得意顔の綾とスマートフォンを交互に見つめ、五エ門は黙っていた。
電源が入ってロックが解除されたから何だと言うのだ。
「某はべつにこんな物……」
急いで連絡しなきゃならない人も、切羽詰った状況もない。
つまり、電話を肌身離さず持ち歩く必要が彼にはなかった。
「五エ門!」
全然分かってないと綾は嘆かわしそうに首を振る。
「たとえば綺麗な夕日を見た時、これを誰かに見せたいなーって思ったりするでしょ? そんな時これがあれば、」
綾は五エ門の真横に座り、腕を伸ばしてスマートフォンをかざした。
小首を傾げて肩にもたれた彼女からシャンプーの香りがして、五エ門は思わずドギマギする。
ほどなくシャッター音が鳴った。
「はい、撮れた」
そっと綾の手元をのぞくと、画面には今撮ったばかりのツーショット写真。
綾がとびっきり可愛く微笑んでいる。
これはこれでいいのだが……。
「カメラで十分なのでは?」
五エ門は心に浮かんだ疑問を素直に口にした。
「あのねぇ。スマホはね、撮った写真をすぐメールで送ったりできるんだよ。 その場に自分しかいなくても、すぐに言いたいことが伝えられて、一緒に見たい物が共有できて!」
綾は五エ門の手にスマートフォンを押し付けた。
「これで、あなたがどこで修業してても私は一緒にいられる!」
可愛い笑顔で見上げる彼女に、五エ門は何も言えなくなった。