お風呂からあがったチビ五エ門は、ダイニングの椅子に腰かけて次元に髪を拭いてもらっていた。

おとなしくされるがままになっているのは、私が牛乳を与えたからだ。

何か飲んだり食べたりしている時はチビ五エ門もおとなしい。

「ゆっくり飲めよ、腹壊すぞ」

次元の言葉に、牛乳を飲みながらコクコクと頷くチビ五エ門。

「世話好きだねぇ次元ちゃん」

ルパンがからかう。

「うるせー」

「ほんとにパパみたいだぜ」

チャッ、とマグナムをちらつかせた次元に、ルパンはひたっ、と口をつぐんだ。

おぉ、しつけがゆき届いてますな。

感心する私をよそに、次元は牛乳を飲み終えたチビ五エ門を椅子から下ろした。

「歯磨きしろ。寝るぞ」

すると五エ門は走ってきて私の腰にしがみついた。

私は彼を抱き上げる。

「良いよ、私のベッドに入れてあげるから」

「ダメだ」

次元が私の腕からチビ五エ門をとりあげた。

「こいつは、五エ門なんだぞ？」

「うん。それで？」

「それでって、お前な……」

次元は呆れた顔をした。

「綾と同じベッドになんか寝かせられるか。来い、五エ門」

次元は五エ門を肩に担ぎ上げると、そのまま行ってしまった。