ウソでしょ?
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「おいお前。どっから来た?」
ルパンが訊ねた。
「子供とはいえ、綾のベッドに忍び込むとは羨まし…… いや、けしからん奴だ」
「…………」
「黙ってちゃわからないだろう」
男の子はベッドからぴょんと飛び降り、私の背後に回り込んだ。
振り返ると、男の子は私のシャツの裾を握ってじっと見上げている。
困ったような、泣き出しそうな顔をしていた。
捨てられた仔犬みたい。
「大丈夫だよ。私たちは君が誰か知りたいだけなんだ」
かがみ込んで目線を合わせ、つとめて優しく話しかけた。
「そういや、五エ門がいないな」
次元が呟いた。
「五エ門? 今はどうでもいいでしょ?」
「いや、それがな…… これ見ろよ」
次元がベッドから取り上げたのは、白鞘の日本刀。
言わずと知れた、斬鉄剣だ。
私達はそろって男の子を振り返った。
「まさか。五エ門、か……?」
「ウソでしょ?」
男の子、もとい、チビ五エ門は、パタパタと次元のもとへ走り寄ってその手から斬鉄剣をひったくった。
「なぁ、その…… 五エ門? どうしてそんなになっちゃった訳?」
ルパンの問いに、チビ五エ門は首を傾げる。
「じゃあ記憶は? 昨日までの記憶はある?」
チビ五エ門は首を傾げたままだ。
つまり、記憶も何もない。
「困ったな……」
ルパンは腕組みをしてうーん、と唸った。
その隣でチビ五エ門は斬鉄剣を抜こうとしている。
しかし腕の長さが足りずに、どうやっても刀身を鞘から抜くことができない。
ムッとしたチビ五エ門は柄を両手で握って大きく振り回した。
「危ない!」
止める間もなく鞘がすっぽ抜け、次元の頭にヒットした。
「あだっ!」
次元にギロリと睨まれ、立ちすくむチビ五エ門。
斬鉄剣を取り上げられてしまった。
「こいつはオモチャじゃねぇ」
次元は斬鉄剣を鞘に納めた。
チビ五エ門は刀を取り返そうとぴょんぴょん飛び跳ねる。
「ったく、落ち着きねぇな。無念無想が聞いて呆れるぜ」
「ゴエモン、ゴエモン」
私は彼を呼び止めた。
「誰も取り上げたりしないから。ねっ? でも怪我したら危ないから、おヒゲのおじちゃんに預かっててもらおうね」
チビ五エ門は私の言葉にじっと耳を傾けていたが、やがてコックリと頷いた。
えらい、えらい。
私は彼の頭を撫でてやった。
「おじちゃんてなぁ……」
次元が不満そうに呟いている。
「あれ、パパの方が良い?」
「やめろ! あの小生意気なメガネのガキを思い出すから!」
コ◯ン君のことかな?
思わず笑ってしまった。
「で、どうするのルパン?」
「どうするって言ってもなぁ。様子見るしかないっしょ?」
ルパンは頭をかいた。
マモーだのツタンカーメンだの吸血鬼だのと、信じられないようなものは数え切れない程見てきた。
今さら五エ門が子供になった位じゃ驚かない。
「とりあえず綾ちゃん、そのチビゴエに服買ってきてやってよ」
「そうだね」
部屋から出ようとすると、腰の辺りに重みを感じた。
振り向くと、チビ五エ門が私のシャツの裾をぎゅっと握っていた。
「ん? どうしたの?」
目線までかがみ込んで訊ねると、チビ五エ門は首に腕を回して抱きついてきた。
うわ。か、可愛い……。
「出かけてほしくないみたい」
「懐かれてんなぁ、綾」
「子供は優しい人かどうかが本能的にわかるのよ」
「……ケッ」
どーだか、という目をする次元。
「しゃーない。俺が行ってくるよ」
結局ルパンが買物に出かけた。
ルパンが訊ねた。
「子供とはいえ、綾のベッドに忍び込むとは羨まし…… いや、けしからん奴だ」
「…………」
「黙ってちゃわからないだろう」
男の子はベッドからぴょんと飛び降り、私の背後に回り込んだ。
振り返ると、男の子は私のシャツの裾を握ってじっと見上げている。
困ったような、泣き出しそうな顔をしていた。
捨てられた仔犬みたい。
「大丈夫だよ。私たちは君が誰か知りたいだけなんだ」
かがみ込んで目線を合わせ、つとめて優しく話しかけた。
「そういや、五エ門がいないな」
次元が呟いた。
「五エ門? 今はどうでもいいでしょ?」
「いや、それがな…… これ見ろよ」
次元がベッドから取り上げたのは、白鞘の日本刀。
言わずと知れた、斬鉄剣だ。
私達はそろって男の子を振り返った。
「まさか。五エ門、か……?」
「ウソでしょ?」
男の子、もとい、チビ五エ門は、パタパタと次元のもとへ走り寄ってその手から斬鉄剣をひったくった。
「なぁ、その…… 五エ門? どうしてそんなになっちゃった訳?」
ルパンの問いに、チビ五エ門は首を傾げる。
「じゃあ記憶は? 昨日までの記憶はある?」
チビ五エ門は首を傾げたままだ。
つまり、記憶も何もない。
「困ったな……」
ルパンは腕組みをしてうーん、と唸った。
その隣でチビ五エ門は斬鉄剣を抜こうとしている。
しかし腕の長さが足りずに、どうやっても刀身を鞘から抜くことができない。
ムッとしたチビ五エ門は柄を両手で握って大きく振り回した。
「危ない!」
止める間もなく鞘がすっぽ抜け、次元の頭にヒットした。
「あだっ!」
次元にギロリと睨まれ、立ちすくむチビ五エ門。
斬鉄剣を取り上げられてしまった。
「こいつはオモチャじゃねぇ」
次元は斬鉄剣を鞘に納めた。
チビ五エ門は刀を取り返そうとぴょんぴょん飛び跳ねる。
「ったく、落ち着きねぇな。無念無想が聞いて呆れるぜ」
「ゴエモン、ゴエモン」
私は彼を呼び止めた。
「誰も取り上げたりしないから。ねっ? でも怪我したら危ないから、おヒゲのおじちゃんに預かっててもらおうね」
チビ五エ門は私の言葉にじっと耳を傾けていたが、やがてコックリと頷いた。
えらい、えらい。
私は彼の頭を撫でてやった。
「おじちゃんてなぁ……」
次元が不満そうに呟いている。
「あれ、パパの方が良い?」
「やめろ! あの小生意気なメガネのガキを思い出すから!」
コ◯ン君のことかな?
思わず笑ってしまった。
「で、どうするのルパン?」
「どうするって言ってもなぁ。様子見るしかないっしょ?」
ルパンは頭をかいた。
マモーだのツタンカーメンだの吸血鬼だのと、信じられないようなものは数え切れない程見てきた。
今さら五エ門が子供になった位じゃ驚かない。
「とりあえず綾ちゃん、そのチビゴエに服買ってきてやってよ」
「そうだね」
部屋から出ようとすると、腰の辺りに重みを感じた。
振り向くと、チビ五エ門が私のシャツの裾をぎゅっと握っていた。
「ん? どうしたの?」
目線までかがみ込んで訊ねると、チビ五エ門は首に腕を回して抱きついてきた。
うわ。か、可愛い……。
「出かけてほしくないみたい」
「懐かれてんなぁ、綾」
「子供は優しい人かどうかが本能的にわかるのよ」
「……ケッ」
どーだか、という目をする次元。
「しゃーない。俺が行ってくるよ」
結局ルパンが買物に出かけた。