車に乗り込むと、綾は不二子に訊ねた。

「ねぇ不二子ちゃん。ルパンのお相手の、えーと……レベッカ・ロドリゲス？」

「レベッカ・ロッセリーニ」

「あ、そうそう。知ってる？」

不二子は目を丸くした。

「次元に聞いてないの？」

「え、だって、『俺が知るかよ』って」

「知らない筈ないじゃない。ロッセリーニ財閥の若き会長で、数々の著名人と浮き名を流す世界的なゴシップクイーンよ」

「ふーん……」

「ふーんって、あなたねぇ……」

不二子は呆れたように綾を見て、笑みをこぼした。

「次元がメロメロになるの、わかる気がするわ」

「何よソレ」

「可愛いってコト」

不二子はクスクス笑って綾の頭を撫でている。

「うー、また子供扱いする……」

綾は唇を尖らせた。