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サンマリノ共和国。
イタリア半島の中東部に位置する世界最古の共和制国家である。
「へぇ……私サンマリノGPくらいしか知らないや」
路肩にとめた車の助手席で観光ガイドをめくりながら綾が呟いた。
サンマリノの玄関口と言われるリミニから車で走ってきたのだが、途中でエンジンルームから煙が出て止まってしまったのだ。
「国土はマンハッタン島とほぼ同じ……小っさ!」
「おまけに空港もねぇ。あるのは山ばっかりだ」
スパナを握ってエンジンルームに首を突っ込みながら次元がぼやいた。
「その山が自然の要塞になって外敵から守ったから、世界最古の共和国になったんでしょ? 言ってみれば鎌倉みたいなものよね」
後ろからクラクションが鳴らされた。
派手な赤い車が猛スピードでやってきて、次元達の前に停まる。
「マスタングのコンバーチブルがいるからもしかしてと思ったら、やっぱりあなた達だったわね!」
車から降りてきたのは不二子だった。
サングラスをとり髪をかきあげて笑う。
綾は車から飛び降り、嬉しそうに不二子に駆け寄った。
「不二子ちゃーん!」
「ふふっ、元気そうね」
「不二子ちゃんもルパンの式に?」
「ええ、そう」
不二子は頷いた。
「もうルパンに貢いで貰えなくなっちゃったわ。……五エ門にでもねだろうかな」
「この前キッパリ断られてたじゃない」
「そうだったわね」
不二子は肩をすくめた。
「ねぇ綾、いい男紹介してよ」
「どんな人が良いの?」
「石油王」
「無理」
二人は揃って笑い声をあげる。
その声に次元は少し顔を上げたが、呆れ顔でまた作業に戻った。
「それで、綾。どんなドレス持ってきたの?」
不二子が車の後部座席に置かれたスーツケースを見て訊ねた。
「ん、えーと……」
綾がスーツケースを開けて見せると、不二子はため息をついた。
「綾ったら。若いんだからもう少し……」
「ほっといて」
ムスッと頬を膨らませた綾。
不二子は笑ってその頬を突いた。
「拗ねないの。そうだ、これからショッピングに付き合いなさいよ。こんなに早く来てるって事は、どうせ観光するつもりだったんでしょ?」
「え、うん。まぁ……」
「サンマリノはイタリアより安いから、沢山お買物できるわよ! ドレスもみてあげるから、行きましょ!」
不二子は有無を言わせず、綾を自分の車に押し込んだ。
「じゃあね次元、綾は借りてくわ!」
「えっ、あっ、おい……!」
「修理頑張って~!」
あっけにとられる次元を残し、不二子の車は猛スピードで去っていった。
イタリア半島の中東部に位置する世界最古の共和制国家である。
「へぇ……私サンマリノGPくらいしか知らないや」
路肩にとめた車の助手席で観光ガイドをめくりながら綾が呟いた。
サンマリノの玄関口と言われるリミニから車で走ってきたのだが、途中でエンジンルームから煙が出て止まってしまったのだ。
「国土はマンハッタン島とほぼ同じ……小っさ!」
「おまけに空港もねぇ。あるのは山ばっかりだ」
スパナを握ってエンジンルームに首を突っ込みながら次元がぼやいた。
「その山が自然の要塞になって外敵から守ったから、世界最古の共和国になったんでしょ? 言ってみれば鎌倉みたいなものよね」
後ろからクラクションが鳴らされた。
派手な赤い車が猛スピードでやってきて、次元達の前に停まる。
「マスタングのコンバーチブルがいるからもしかしてと思ったら、やっぱりあなた達だったわね!」
車から降りてきたのは不二子だった。
サングラスをとり髪をかきあげて笑う。
綾は車から飛び降り、嬉しそうに不二子に駆け寄った。
「不二子ちゃーん!」
「ふふっ、元気そうね」
「不二子ちゃんもルパンの式に?」
「ええ、そう」
不二子は頷いた。
「もうルパンに貢いで貰えなくなっちゃったわ。……五エ門にでもねだろうかな」
「この前キッパリ断られてたじゃない」
「そうだったわね」
不二子は肩をすくめた。
「ねぇ綾、いい男紹介してよ」
「どんな人が良いの?」
「石油王」
「無理」
二人は揃って笑い声をあげる。
その声に次元は少し顔を上げたが、呆れ顔でまた作業に戻った。
「それで、綾。どんなドレス持ってきたの?」
不二子が車の後部座席に置かれたスーツケースを見て訊ねた。
「ん、えーと……」
綾がスーツケースを開けて見せると、不二子はため息をついた。
「綾ったら。若いんだからもう少し……」
「ほっといて」
ムスッと頬を膨らませた綾。
不二子は笑ってその頬を突いた。
「拗ねないの。そうだ、これからショッピングに付き合いなさいよ。こんなに早く来てるって事は、どうせ観光するつもりだったんでしょ?」
「え、うん。まぁ……」
「サンマリノはイタリアより安いから、沢山お買物できるわよ! ドレスもみてあげるから、行きましょ!」
不二子は有無を言わせず、綾を自分の車に押し込んだ。
「じゃあね次元、綾は借りてくわ!」
「えっ、あっ、おい……!」
「修理頑張って~!」
あっけにとられる次元を残し、不二子の車は猛スピードで去っていった。