10番目のルパン
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君を愛してる。君だけだよ。
って、ルパンは言った。
でも舌の根も乾かないうちに別の子に。
君を愛してる。君は特別だ。
って言ってた。
私じゃない誰かに向けて優しく笑うルパンは別人みたいで。
しばらくは自分の目が信じられなかった。
たとえば……そう、ルパンの中には10人のルパンがいて、それぞれが別の子を好きになってるんじゃないかな。
私はきっと、10番目のルパンの目にとまったんだ。
そう思ってみたものの、目の前で見てしまったものがやっぱりショックで。
オヤツに出した大好きなシュークリームも今日は……
1個でいいや。
気にするな、いつものビョーキだ。
って、次元は言った。
心配するな、すぐにお前のところに戻ってくる。
って、五エ門は言った。
すぐに戻ってきても、またすぐいつものビョーキがはじまる訳でしょ?
そう言う私に、2人は黙って自分の分のシュークリームをくれた。
やけ食いでもしろって?
……違う。慰めてくれてるんだよね。わかってるよ。
わかってるんだ、本当は。
それでもルパンを嫌いになれないんだから。
好きになった方が負けなんだ。
でも、他の子に向けた笑顔を思い出すと悔しくて。
帰宅したルパンを無視した。
どったの? と彼は訊くけど、私は答えない。
自分の胸に聞け、と次元。
思い当たったらしいルパンは、慌てて私の背中にありったけの甘い言葉を浴びせる。
それこそ、シュークリームみたいな、
「君が好きだよ」だの、
「君は特別なんだ」だの、
「愛してる」だの、
「可愛い」だの。
それでも知らん顔をしていると、10番目のルパンがとびきり優しい声で言った。
「ねぇ、綾。こっち向いて?」
本当はもう、とっくに許してるの。
でも、もう少し、そっぽを向いていようかな。
もう少し、彼の甘い言葉を聞いていたいから……
終わり
って、ルパンは言った。
でも舌の根も乾かないうちに別の子に。
君を愛してる。君は特別だ。
って言ってた。
私じゃない誰かに向けて優しく笑うルパンは別人みたいで。
しばらくは自分の目が信じられなかった。
たとえば……そう、ルパンの中には10人のルパンがいて、それぞれが別の子を好きになってるんじゃないかな。
私はきっと、10番目のルパンの目にとまったんだ。
そう思ってみたものの、目の前で見てしまったものがやっぱりショックで。
オヤツに出した大好きなシュークリームも今日は……
1個でいいや。
気にするな、いつものビョーキだ。
って、次元は言った。
心配するな、すぐにお前のところに戻ってくる。
って、五エ門は言った。
すぐに戻ってきても、またすぐいつものビョーキがはじまる訳でしょ?
そう言う私に、2人は黙って自分の分のシュークリームをくれた。
やけ食いでもしろって?
……違う。慰めてくれてるんだよね。わかってるよ。
わかってるんだ、本当は。
それでもルパンを嫌いになれないんだから。
好きになった方が負けなんだ。
でも、他の子に向けた笑顔を思い出すと悔しくて。
帰宅したルパンを無視した。
どったの? と彼は訊くけど、私は答えない。
自分の胸に聞け、と次元。
思い当たったらしいルパンは、慌てて私の背中にありったけの甘い言葉を浴びせる。
それこそ、シュークリームみたいな、
「君が好きだよ」だの、
「君は特別なんだ」だの、
「愛してる」だの、
「可愛い」だの。
それでも知らん顔をしていると、10番目のルパンがとびきり優しい声で言った。
「ねぇ、綾。こっち向いて?」
本当はもう、とっくに許してるの。
でも、もう少し、そっぽを向いていようかな。
もう少し、彼の甘い言葉を聞いていたいから……
終わり