お前にやる。
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次元がリビングで新聞を広げているすぐ隣に、綾は小さな箱を持ってやってきた。
ちょこんと腰掛けた彼女をチラ見すれば、その顔には満面の笑みが浮かんでいる。
次元はその笑顔に満足して、また新聞に視線を戻した。
ピリピリピリとパッケージを破る音。
「あっ」
綾が小さく声をあげた。
チョイチョイ、と袖を引かれ、次元は新聞から顔を上げた。
「なんだ?」
「見て見て。ハート!」
綾の視線はアイスの箱に注がれている。
箱の中には一口大のアイスが6個並んでおり、そのうちの1つだけがハートの形をしていた。
「これね、すっごくレアなんだよ! 何か良いことがあるかも!」
興奮気味にしゃべる綾が妙に可愛くて、次元も思わず笑みがこぼれる。
「そうか。そりゃ良かったな」
「あ、待って」
綾はアイスの箱を次元の方へ押しやった。
「次元にあげる」
「いいのか」
「うん。ハートのやつね」
次元は小さなハート形のアイスを見て、それからニヤッと笑って綾を見た。
「じゃあこれは、俺のだな?」
「そうだよ。次元のだよ」
それを聞いた次元はますます嬉しそうに笑った。
アイスの箱を綾の前に押し戻す。
「それじゃ、これはお前にやる」
「いらないの?」
世の中の人はみんな甘い物が好きだと信じて疑わない綾は、不思議そうな顔をして次元を見上げた。
もちろん、次元だって甘い物が嫌いな訳ではない。
しかし、今回はそれがハートだったから。
つまり。
「俺のハートは、お前のもんだ」
次元はハートのアイスをつまみあげると、綾の口に放り込んだ。
真っ赤になって口をモゴモゴさせている綾。
次元は満足そうに彼女を抱きしめた。
つまりは、そういうこと。
おわり
ちょこんと腰掛けた彼女をチラ見すれば、その顔には満面の笑みが浮かんでいる。
次元はその笑顔に満足して、また新聞に視線を戻した。
ピリピリピリとパッケージを破る音。
「あっ」
綾が小さく声をあげた。
チョイチョイ、と袖を引かれ、次元は新聞から顔を上げた。
「なんだ?」
「見て見て。ハート!」
綾の視線はアイスの箱に注がれている。
箱の中には一口大のアイスが6個並んでおり、そのうちの1つだけがハートの形をしていた。
「これね、すっごくレアなんだよ! 何か良いことがあるかも!」
興奮気味にしゃべる綾が妙に可愛くて、次元も思わず笑みがこぼれる。
「そうか。そりゃ良かったな」
「あ、待って」
綾はアイスの箱を次元の方へ押しやった。
「次元にあげる」
「いいのか」
「うん。ハートのやつね」
次元は小さなハート形のアイスを見て、それからニヤッと笑って綾を見た。
「じゃあこれは、俺のだな?」
「そうだよ。次元のだよ」
それを聞いた次元はますます嬉しそうに笑った。
アイスの箱を綾の前に押し戻す。
「それじゃ、これはお前にやる」
「いらないの?」
世の中の人はみんな甘い物が好きだと信じて疑わない綾は、不思議そうな顔をして次元を見上げた。
もちろん、次元だって甘い物が嫌いな訳ではない。
しかし、今回はそれがハートだったから。
つまり。
「俺のハートは、お前のもんだ」
次元はハートのアイスをつまみあげると、綾の口に放り込んだ。
真っ赤になって口をモゴモゴさせている綾。
次元は満足そうに彼女を抱きしめた。
つまりは、そういうこと。
おわり