彼女は常に嘘をつく2
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「君さぁ……!」
しばらく走ったところで、たまらず俺は叫んだ。
「君じゃないよ、綾だよ、ルパン」
「……俺の事知ってたのか」
「うん。はじめまして、ルパン三世。私は綾」
「よろしく、綾」
いや、そうじゃないだろう!
「名前なんかどーでもいいの!」
走りながら俺は叫んだ。
「何でまだ出られないワケ⁉︎」
「うーん、なんでかなぁ?」
綾も走りながら首を傾げる。
「おいっ。ホントは出口知らないんじゃないのか?」
「おかしいな……入口があるんだから、出口もどこかにある筈なんだけど」
「あのなぁ!」
俺達は警備の連中に追われながら、ビルの中をひたすら走り続けた。
追手をまき、人目につきにくそうな場所で一息つきながら、俺は横目で綾を見つめた。
綾は壁にもたれかかり、胸に手を当てて呼吸を整えようとしていた。
彼女の肩が上下するたび、柔らかそうな髪がフワフワと揺れる。
一体何者なんだ。
ここの社員であるかのように装っていたが、おそらくは違う。
それなら彼女がここにいた理由は何だ。
それに……
『助けて……』
あの言葉。
心底怯えきった、すがるような声。
一体何から逃げたいのか。
あんな風にお願いをされたら助けたいのはヤマヤマなのだが、罠という可能性も捨てきれない。
油断は禁物だ。
「…………」
ふいに、彼女と目が合った。
どうしたのと問いかけるように小首をかしげる綾。
「いや。可愛いなぁと思ってさ」
とっさにそう口にすると、彼女は照れたように微笑んで視線を逸らした。
「そ、そんな事を簡単に口にするような人は信用されないよ?」
そう言いながら、頬をうっすらピンクに染めている。
俺は嬉しくなった。
こんな笑顔を見せるなら、罠ではないと思った。
いや。
こんな笑顔が見られるなら、罠でも良いと思った。
しばらく走ったところで、たまらず俺は叫んだ。
「君じゃないよ、綾だよ、ルパン」
「……俺の事知ってたのか」
「うん。はじめまして、ルパン三世。私は綾」
「よろしく、綾」
いや、そうじゃないだろう!
「名前なんかどーでもいいの!」
走りながら俺は叫んだ。
「何でまだ出られないワケ⁉︎」
「うーん、なんでかなぁ?」
綾も走りながら首を傾げる。
「おいっ。ホントは出口知らないんじゃないのか?」
「おかしいな……入口があるんだから、出口もどこかにある筈なんだけど」
「あのなぁ!」
俺達は警備の連中に追われながら、ビルの中をひたすら走り続けた。
追手をまき、人目につきにくそうな場所で一息つきながら、俺は横目で綾を見つめた。
綾は壁にもたれかかり、胸に手を当てて呼吸を整えようとしていた。
彼女の肩が上下するたび、柔らかそうな髪がフワフワと揺れる。
一体何者なんだ。
ここの社員であるかのように装っていたが、おそらくは違う。
それなら彼女がここにいた理由は何だ。
それに……
『助けて……』
あの言葉。
心底怯えきった、すがるような声。
一体何から逃げたいのか。
あんな風にお願いをされたら助けたいのはヤマヤマなのだが、罠という可能性も捨てきれない。
油断は禁物だ。
「…………」
ふいに、彼女と目が合った。
どうしたのと問いかけるように小首をかしげる綾。
「いや。可愛いなぁと思ってさ」
とっさにそう口にすると、彼女は照れたように微笑んで視線を逸らした。
「そ、そんな事を簡単に口にするような人は信用されないよ?」
そう言いながら、頬をうっすらピンクに染めている。
俺は嬉しくなった。
こんな笑顔を見せるなら、罠ではないと思った。
いや。
こんな笑顔が見られるなら、罠でも良いと思った。