彼女は常に嘘をつく
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ルパンが顔を上げると、リビングに入ってきたのは不二子だった。
約束の時間にはまだだいぶ早い。
「いらっしゃーい。どしたの、こんなに早く。仮装してないし……まさか、俺に会いたくなっちゃったとか?」
「ま、そんなトコ」
不二子は表情を変えずに答えた。
ミニ丈で体にフィットしたドレス。
緩やかにカールした柔らかそうな髪。
吸い付きたくなるほど可愛い唇。
ルパンはだらしない笑みを浮かべてそれらを眺めまわした。
視線を感じた不二子は軽く睨む。
「イヤらしい顔でジロジロ見ないでよ」
そんな冷たい態度もルパンにとってはご馳走。
ルパンはデヘヘと相好を崩した。
「ゴメンゴメン。でも今日もまた一段と綺麗だねぇ、不二子ちゃん」
「お世辞は結構よ」
不二子はソファに腰かけ、脚を組んだ。
スカート丈が極端に短いので、脚を組むと太ももが露わになる。
ルパンは彼女の真っ白な足に釘づけになり、ゴクリと生唾をのんだ。
「どうかした……?」
「えっ?」
顔を上げると、不二子は口元に笑みを浮かべてルパンを見ていた。
何もかも分かっているといった、蠱惑的な笑み。
「不二子、そりゃ反則……」
「え?」
今度は不二子が訊き返した。
「もーダメ! イタダキマース!」
言うが早いか、ルパンは不二子をソファに押し倒した。
「……イヤッ……!」
抵抗しようとした不二子の両腕を片手で掴み、頭上で押さえつける。
見下ろした不二子の顔は紅潮し、瞳が潤んで、なんとも可愛らしかった。
首元のリボンを解くと、ホルターネックのドレスの下から真っ白な肌が現れる。
「……放して……」
掠れた彼女の声に煽られたルパンは、彼女の肌に吸い寄せられるように唇を落とした。
「あっ……!」
彼女の体が小さく震えた。
バタン。
リビングのドアを足で蹴り開け、両手に荷物を抱えた次元が入ってきた。
「買ってきたぞ……って……え?」
固まること2、3秒。
次元の顔がみるみる怒りに代わって、右手がヒップホルスターに伸びる。
「うわっ! じ、次元? そりゃマズイでしょーよ⁉︎」
ルパンは慌てて叫ぶ。
「うるせえっ! さっさと綾から離れろ!」
「え?」
ルパンは自分が組み敷いている不二子を見、それから目をパチクリさせて次元を見やった。
「誰だって?」
「ふざけるなテメェ! いいからそこを退け!」
次元はマグナムを構えて撃鉄を起こす。
「わーっ、わーっ! 退きます、退きます!」
ルパンはソファーから飛びのいた。
不二子は真っ赤な顔でドレスのリボンを結び直している。
「あれ……?」
今にも泣き出しそうな彼女の表情を見て、ルパンは驚いた。
彼女がそんな顔をしたのは初めてだ。
「不二子……?」
「まだそんな寝ぼけた事言ってんのか。そいつは綾だ」
次元が怒りの混じった声で言った。
「なにィ⁉︎」
ルパンは素っ頓狂な声を上げ不二子、いや、不二子に扮した綾を見つめた。
どっからどう見ても不二子にしか見えない。
「あの、綾サン……? 何だってそんなマネを?」
「……公序良俗に反しない格好なら良いって言ったから」
綾は唇をとがらせて答えた。
「ハロウィンにちなんで、ちょっとイタズラしてやろうと思ったの。不二子ちゃんになりきるために一生懸命情報収集したのに、まさか自分がイタズラされる事になるとは……」
「その言い方はやめてくんない? 変態みたいじゃんか」
「みたいじゃなくて、立派な変態だ、てめぇは」
次元が吐き捨てるように言った。
「綾と不二子の区別もつかねぇとはな」
「いやいや! つかねぇって!」
もはや仮装と言うより変装と言うべき、完璧な出来栄えだった。
「むしろ見分けられるオメェがすごいよ、次元」
「フフン。それは愛ですよ、愛!」
綾が胸をはり、したり顔で言った。
「やっぱり、愛しい女のことはひと目でわかるんだよねー、次元は!」
「誰が愛しい女だ、阿呆」
「……あざーっす!」
次元のデコピンをくらって赤くなった額をさすりながら綾は笑った。
その様子を見て、ルパンもようやく綾だと認識する。
「悪かった、綾」
「許してあげても良いよ。代わりに私にも押し倒させ」
「止めろ」
綾の言葉は次元によって遮られた。
「じゃあ次元、ルパンの代わりにあなたを押し倒」
「ふざけるな」
「痛っ! ……あざーっす!」
このハロウィン騒動以降、綾の変装術は大いに役立っていくのだが、それはまた別のお話。
終わり
約束の時間にはまだだいぶ早い。
「いらっしゃーい。どしたの、こんなに早く。仮装してないし……まさか、俺に会いたくなっちゃったとか?」
「ま、そんなトコ」
不二子は表情を変えずに答えた。
ミニ丈で体にフィットしたドレス。
緩やかにカールした柔らかそうな髪。
吸い付きたくなるほど可愛い唇。
ルパンはだらしない笑みを浮かべてそれらを眺めまわした。
視線を感じた不二子は軽く睨む。
「イヤらしい顔でジロジロ見ないでよ」
そんな冷たい態度もルパンにとってはご馳走。
ルパンはデヘヘと相好を崩した。
「ゴメンゴメン。でも今日もまた一段と綺麗だねぇ、不二子ちゃん」
「お世辞は結構よ」
不二子はソファに腰かけ、脚を組んだ。
スカート丈が極端に短いので、脚を組むと太ももが露わになる。
ルパンは彼女の真っ白な足に釘づけになり、ゴクリと生唾をのんだ。
「どうかした……?」
「えっ?」
顔を上げると、不二子は口元に笑みを浮かべてルパンを見ていた。
何もかも分かっているといった、蠱惑的な笑み。
「不二子、そりゃ反則……」
「え?」
今度は不二子が訊き返した。
「もーダメ! イタダキマース!」
言うが早いか、ルパンは不二子をソファに押し倒した。
「……イヤッ……!」
抵抗しようとした不二子の両腕を片手で掴み、頭上で押さえつける。
見下ろした不二子の顔は紅潮し、瞳が潤んで、なんとも可愛らしかった。
首元のリボンを解くと、ホルターネックのドレスの下から真っ白な肌が現れる。
「……放して……」
掠れた彼女の声に煽られたルパンは、彼女の肌に吸い寄せられるように唇を落とした。
「あっ……!」
彼女の体が小さく震えた。
バタン。
リビングのドアを足で蹴り開け、両手に荷物を抱えた次元が入ってきた。
「買ってきたぞ……って……え?」
固まること2、3秒。
次元の顔がみるみる怒りに代わって、右手がヒップホルスターに伸びる。
「うわっ! じ、次元? そりゃマズイでしょーよ⁉︎」
ルパンは慌てて叫ぶ。
「うるせえっ! さっさと綾から離れろ!」
「え?」
ルパンは自分が組み敷いている不二子を見、それから目をパチクリさせて次元を見やった。
「誰だって?」
「ふざけるなテメェ! いいからそこを退け!」
次元はマグナムを構えて撃鉄を起こす。
「わーっ、わーっ! 退きます、退きます!」
ルパンはソファーから飛びのいた。
不二子は真っ赤な顔でドレスのリボンを結び直している。
「あれ……?」
今にも泣き出しそうな彼女の表情を見て、ルパンは驚いた。
彼女がそんな顔をしたのは初めてだ。
「不二子……?」
「まだそんな寝ぼけた事言ってんのか。そいつは綾だ」
次元が怒りの混じった声で言った。
「なにィ⁉︎」
ルパンは素っ頓狂な声を上げ不二子、いや、不二子に扮した綾を見つめた。
どっからどう見ても不二子にしか見えない。
「あの、綾サン……? 何だってそんなマネを?」
「……公序良俗に反しない格好なら良いって言ったから」
綾は唇をとがらせて答えた。
「ハロウィンにちなんで、ちょっとイタズラしてやろうと思ったの。不二子ちゃんになりきるために一生懸命情報収集したのに、まさか自分がイタズラされる事になるとは……」
「その言い方はやめてくんない? 変態みたいじゃんか」
「みたいじゃなくて、立派な変態だ、てめぇは」
次元が吐き捨てるように言った。
「綾と不二子の区別もつかねぇとはな」
「いやいや! つかねぇって!」
もはや仮装と言うより変装と言うべき、完璧な出来栄えだった。
「むしろ見分けられるオメェがすごいよ、次元」
「フフン。それは愛ですよ、愛!」
綾が胸をはり、したり顔で言った。
「やっぱり、愛しい女のことはひと目でわかるんだよねー、次元は!」
「誰が愛しい女だ、阿呆」
「……あざーっす!」
次元のデコピンをくらって赤くなった額をさすりながら綾は笑った。
その様子を見て、ルパンもようやく綾だと認識する。
「悪かった、綾」
「許してあげても良いよ。代わりに私にも押し倒させ」
「止めろ」
綾の言葉は次元によって遮られた。
「じゃあ次元、ルパンの代わりにあなたを押し倒」
「ふざけるな」
「痛っ! ……あざーっす!」
このハロウィン騒動以降、綾の変装術は大いに役立っていくのだが、それはまた別のお話。
終わり