彼女は常に嘘をつく
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「ルパン、なんとかしてよ」
「何とかって言ったってなぁ」
不二子のお願いに、ルパンは困った顔をして綾を振り返った。
綾は不二子の数メートル後ろで、物陰から双眼鏡でこちらを窺っている。
左手には例の手帳が握られており、時折何かを書きつけてはまた双眼鏡を覗く、を繰り返している。
「綾ったら、この間からずっとああなのよ。寝ても起きても、始終私にべったりはりついて」
「もはやストーカーだなぁ」
ルパンは呆れながら言った。
「実にうらやま……あわわ、実にけしからん」
不二子に白い目を向けられ、ルパンはやや焦りながら綾に声をかけた。
「おーい、綾。いったい何してるんだー?」
「不二子ちゃんの観察日記つけてるの!」
ルパンは目をパチクリし、不二子を振り返った。
「……って言ってるけど」
「そうじゃないでしょ!」
不二子の目がつりあがったのを見て、ルパンは慌ててまた綾に呼びかけた。
「おーい、綾。それ、いつ終わるのー?」
「もーちょっと!」
「不二子ちゃんが止めてって言ってるけど……?」
すると綾は物陰から出てきて、なんとも悲しそうな顔で不二子を見た。
「迷惑、だった……?」
彼女の大きな目が捨てられた子犬みたいに潤んでいて、不二子は何も言えなくなった。
「いえ、私は別に、迷惑だなんて……」
ついうっかりと否定してしまう。
すると綾は、ニカッと笑ってポケットから目薬を取り出した。
「やたっ。これよく効くわー!」
「……」
まんまと一杯くわされたようである。
「では、遠慮なく続きを……」
綾は手帳を開いてまた何かを書きつける。
今まで無関心だった次元だが、手帳の内容になんとなく興味がわいた。
(何が書いてあるんだ?)
ソファから立ち上がり、気配を殺してそっと綾の背後に回る。
そして後ろから綾の手元をのぞき込んだ。
手帳には、およそ文字とは思えない、ミミズが這ったような線がいくつも書かれていた。
「なんだこれは?」
「のわっ!」
突然背後から聞こえた声に、綾はびっくりして飛び上がった。
「じ、次元! 私をショック死させるつもり? ホント恐ろしい殺し屋……!」
げいんっ。
「あざーっす!」
愛のムチ(と綾は勝手に思っている)を受けた後頭部をさすりながら、綾は床に落ちた手帳を拾い上げた。
「これは敵に奪われても簡単に解読できないよう、ホニャモネ語で書いてあるの。そう簡単には読めないよ」
(敵って誰だ?)
そうツッコミたいのをこらえて次元は言った。
「どうでもいいが、いい加減ウザったいから不二子をつけ回すのは止めろ」
「いぇす、ぼす」
以外にも綾は素直に従った。
次元にビシッと敬礼をして、二階へ駆けあがっていく。
次元は無言でソファに戻った。
「ホニャモネ……?」
不二子はポカーンとしている。
もちろん、そんな言語があろうはずがない。
(綾の考えてることはさっぱり分かんねーな……)
ルパンは肩をすくめた。
「何とかって言ったってなぁ」
不二子のお願いに、ルパンは困った顔をして綾を振り返った。
綾は不二子の数メートル後ろで、物陰から双眼鏡でこちらを窺っている。
左手には例の手帳が握られており、時折何かを書きつけてはまた双眼鏡を覗く、を繰り返している。
「綾ったら、この間からずっとああなのよ。寝ても起きても、始終私にべったりはりついて」
「もはやストーカーだなぁ」
ルパンは呆れながら言った。
「実にうらやま……あわわ、実にけしからん」
不二子に白い目を向けられ、ルパンはやや焦りながら綾に声をかけた。
「おーい、綾。いったい何してるんだー?」
「不二子ちゃんの観察日記つけてるの!」
ルパンは目をパチクリし、不二子を振り返った。
「……って言ってるけど」
「そうじゃないでしょ!」
不二子の目がつりあがったのを見て、ルパンは慌ててまた綾に呼びかけた。
「おーい、綾。それ、いつ終わるのー?」
「もーちょっと!」
「不二子ちゃんが止めてって言ってるけど……?」
すると綾は物陰から出てきて、なんとも悲しそうな顔で不二子を見た。
「迷惑、だった……?」
彼女の大きな目が捨てられた子犬みたいに潤んでいて、不二子は何も言えなくなった。
「いえ、私は別に、迷惑だなんて……」
ついうっかりと否定してしまう。
すると綾は、ニカッと笑ってポケットから目薬を取り出した。
「やたっ。これよく効くわー!」
「……」
まんまと一杯くわされたようである。
「では、遠慮なく続きを……」
綾は手帳を開いてまた何かを書きつける。
今まで無関心だった次元だが、手帳の内容になんとなく興味がわいた。
(何が書いてあるんだ?)
ソファから立ち上がり、気配を殺してそっと綾の背後に回る。
そして後ろから綾の手元をのぞき込んだ。
手帳には、およそ文字とは思えない、ミミズが這ったような線がいくつも書かれていた。
「なんだこれは?」
「のわっ!」
突然背後から聞こえた声に、綾はびっくりして飛び上がった。
「じ、次元! 私をショック死させるつもり? ホント恐ろしい殺し屋……!」
げいんっ。
「あざーっす!」
愛のムチ(と綾は勝手に思っている)を受けた後頭部をさすりながら、綾は床に落ちた手帳を拾い上げた。
「これは敵に奪われても簡単に解読できないよう、ホニャモネ語で書いてあるの。そう簡単には読めないよ」
(敵って誰だ?)
そうツッコミたいのをこらえて次元は言った。
「どうでもいいが、いい加減ウザったいから不二子をつけ回すのは止めろ」
「いぇす、ぼす」
以外にも綾は素直に従った。
次元にビシッと敬礼をして、二階へ駆けあがっていく。
次元は無言でソファに戻った。
「ホニャモネ……?」
不二子はポカーンとしている。
もちろん、そんな言語があろうはずがない。
(綾の考えてることはさっぱり分かんねーな……)
ルパンは肩をすくめた。