かたじけない。
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「大げさなんだよ」
迎えに来た次元は呆れた顔で言った。
「たかだか注射1本で!」
「あのね次元、予防注射をナメないでくれる? 針が刺さった時より、薬が入ってくる時の方がすごく痛いんだから!」
綾は絆創膏の貼られた二の腕をさすりながら、涙目で訴えた。
「知ったことか! 死ぬほど恥ずかしかったぞ、俺は!」
処置室で予防接種を受けて死んだようになっている綾を引き取り、待合室でこの世の終わりかと思う程号泣している五エ門を引きずってこなくてはならなかったのだ。
医者と看護師の視線のほうが注射なんかよりよっぽど痛い。
「綾殿はよく耐えたでござる。立派でござる」
五エ門はまださめざめと泣いている。
彼もまた、注射は大の苦手。綾の気持ちはよくわかる。
「ありがとう、五エ門。注射が嫌だからって先延ばしにしてた私がいけないんだもんね……」
綾は五エ門にしがみついた。
「五エ門の時は、私が付き添ってあげるからね?」
「かたじけない」
「あのなぁ……」
次元は呆れてため息をついた。
それで、また俺が2人を回収に行くのか。
勘弁してくれ、と次元は思った。
おわり
迎えに来た次元は呆れた顔で言った。
「たかだか注射1本で!」
「あのね次元、予防注射をナメないでくれる? 針が刺さった時より、薬が入ってくる時の方がすごく痛いんだから!」
綾は絆創膏の貼られた二の腕をさすりながら、涙目で訴えた。
「知ったことか! 死ぬほど恥ずかしかったぞ、俺は!」
処置室で予防接種を受けて死んだようになっている綾を引き取り、待合室でこの世の終わりかと思う程号泣している五エ門を引きずってこなくてはならなかったのだ。
医者と看護師の視線のほうが注射なんかよりよっぽど痛い。
「綾殿はよく耐えたでござる。立派でござる」
五エ門はまださめざめと泣いている。
彼もまた、注射は大の苦手。綾の気持ちはよくわかる。
「ありがとう、五エ門。注射が嫌だからって先延ばしにしてた私がいけないんだもんね……」
綾は五エ門にしがみついた。
「五エ門の時は、私が付き添ってあげるからね?」
「かたじけない」
「あのなぁ……」
次元は呆れてため息をついた。
それで、また俺が2人を回収に行くのか。
勘弁してくれ、と次元は思った。
おわり