かたじけない。
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真っ白な壁に囲まれた部屋に、五エ門と綾は座っていた。
監視つきで逃げ場はない。
絶望的だった。
急病で倒れたりできれば事態は変わるかもしれないのにと、綾は自身の丈夫さを恨んだ。
そういや、子供の頃「病弱なお嬢様」ってやつに憧れたっけ。
学校に行きたくても行けない、ベッドの上で1日を過ごす美少女に。
綾が不健康なのはその考え方だけだった。
「綾殿」
五エ門が心配そうに綾の顔を覗きこんだ。
「大丈夫か?」
「うん。へーき」
綾は無理に微笑んで見せた。
「ごめんなさい。こんな所につき合せちゃって……」
「拙者が勝手についてきたのだ。だいたい、お主1人で行かせられるわけがなかろう」
「五エ門」
綾は泣きそうな顔をして五エ門に抱きついた。
「行きたくないよ……五エ門と一緒にいたい」
「綾殿……」
ドアの向こうから綾が呼び立てられた。
その命令には従うしかない。
「どうする? 拙者が代わりに行くか?」
綾は首を振った。
「……行くわ。私が行くしかないんだもん」
「綾殿……」
「ありがとう、五エ門」
綾は涙をこらえてぎこちなく笑うと、静かにドアの向こうに消えた。
五エ門は綾の背中を見送り、いつまでもドアの前に立ち尽くしていた。
直後、綾の悲鳴が聞こえた。
監視つきで逃げ場はない。
絶望的だった。
急病で倒れたりできれば事態は変わるかもしれないのにと、綾は自身の丈夫さを恨んだ。
そういや、子供の頃「病弱なお嬢様」ってやつに憧れたっけ。
学校に行きたくても行けない、ベッドの上で1日を過ごす美少女に。
綾が不健康なのはその考え方だけだった。
「綾殿」
五エ門が心配そうに綾の顔を覗きこんだ。
「大丈夫か?」
「うん。へーき」
綾は無理に微笑んで見せた。
「ごめんなさい。こんな所につき合せちゃって……」
「拙者が勝手についてきたのだ。だいたい、お主1人で行かせられるわけがなかろう」
「五エ門」
綾は泣きそうな顔をして五エ門に抱きついた。
「行きたくないよ……五エ門と一緒にいたい」
「綾殿……」
ドアの向こうから綾が呼び立てられた。
その命令には従うしかない。
「どうする? 拙者が代わりに行くか?」
綾は首を振った。
「……行くわ。私が行くしかないんだもん」
「綾殿……」
「ありがとう、五エ門」
綾は涙をこらえてぎこちなく笑うと、静かにドアの向こうに消えた。
五エ門は綾の背中を見送り、いつまでもドアの前に立ち尽くしていた。
直後、綾の悲鳴が聞こえた。