悪ィ。
name change
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「綾」
名前を呼びながら、勝手に手が彼女の頬に伸びていた。
「次元……?」
いきなり俺の手が頬に触れ顔を上げた綾は、俺の手を退けようともせずに、小さな声で俺の名を呼んだ。
「……」
返事もせずに彼女を見つめた。
雨音だけが強くなり弱くなり、その場を包んでいた。
俺は片手を綾の頬に置いたまま、座席の背にもう片方の手をついて、体をかがめて彼女に顔を寄せた。
唇に触れる寸前、彼女の瞳が閉じられたのが分かった。
「ん……っ」
触れた唇。
綾が俺のシャツをきゅっと握った。
唇をはなすと、綾は真っ赤になって顔を伏せた。
「悪ィ」
小さな声でそう言い、上体を起こそうとすると、
「謝らないで」
綾は一度放した俺のシャツをしがみつくように握った。
「私、次元のこと……」
弱々しい声が途切れ、彼女の瞳がゆっくりと閉じた。
シャツを掴んでいた手がはなれ、ぐったりと体が座席に沈み込む。
安堵感から、気を失ったのだった。
意識を失った彼女に車中に用意されていた毛布をかけてやり、俺は一番近い町の医者を探して車を発進させた。
おわり。
名前を呼びながら、勝手に手が彼女の頬に伸びていた。
「次元……?」
いきなり俺の手が頬に触れ顔を上げた綾は、俺の手を退けようともせずに、小さな声で俺の名を呼んだ。
「……」
返事もせずに彼女を見つめた。
雨音だけが強くなり弱くなり、その場を包んでいた。
俺は片手を綾の頬に置いたまま、座席の背にもう片方の手をついて、体をかがめて彼女に顔を寄せた。
唇に触れる寸前、彼女の瞳が閉じられたのが分かった。
「ん……っ」
触れた唇。
綾が俺のシャツをきゅっと握った。
唇をはなすと、綾は真っ赤になって顔を伏せた。
「悪ィ」
小さな声でそう言い、上体を起こそうとすると、
「謝らないで」
綾は一度放した俺のシャツをしがみつくように握った。
「私、次元のこと……」
弱々しい声が途切れ、彼女の瞳がゆっくりと閉じた。
シャツを掴んでいた手がはなれ、ぐったりと体が座席に沈み込む。
安堵感から、気を失ったのだった。
意識を失った彼女に車中に用意されていた毛布をかけてやり、俺は一番近い町の医者を探して車を発進させた。
おわり。