他人の恋はサスペンスである
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「なぁ綾ちゃん。ちょいと恋の相談に乗っちゃくれないか?」
ルパンの口から『恋の相談』なんて言葉が出るとは思わなかった。
アジトのリビング。
間に合わせで点けた小さなランプが琥珀色のグラスに揺れている。
氷がカラン、と澄んだ音を立てた。
「あなたが? 今度は誰を口説くつもりなの?」
揶揄うように横目で言うと、彼は軽く肩をすくめた。
「いやいや、真面目な話さ。俺の友達 がさ、ちょっと悩んでて」
友達。
チラリとルパンの目を見る。
彼がはぐらかす時によく使う逃げ道だ。
「奴は仲間内の女の子を好きになっちまってるんだけど、でもその子、まったく本気にしちゃくれないらしいんだ。参ったねえ」
ルパンはわざとらしく天井を見上げ、ため息をついた。
「で、奴はどうしたらスマートに想いを伝えられるか、ってわけよ」
手にしたグラスを軽く揺らして、私は口を開いた。
「その友達、貴方に似てるわね」
顔を見上げて、ルパンの目をじっと見つめる。
「ルパン、私の目は節穴じゃないわよ」
一瞬だけ、彼の手が止まった。
次の瞬間、いつもの調子で笑う。
「いやー、探偵さんの目は誤魔化せないねぇ」
「他人の恋を語る人って、大抵自分の恋の話をしてるものだわ」
グラスを傾けながら私は言う。
「正直に言いなさいよ、ルパン。不二子になんてプロポーズするつもり?」
「……まいったね」
彼は苦笑しながらグラスを掲げ、僅かに残っていた中身を一気に飲み干した。
「綾はとっつぁんより手強い」
「え?」
ルパンは片手を伸ばし、私の頬に触れた。
親指が微かに頬を撫でる。
「まだまだ、ホームズにはほど遠いね」
「は?」
「観察がたりないよ、ワトソン君。それじゃ、おやすみ」
「…………」
言葉の意味に気づかないまま、私はルパンの後ろ姿を見送った。
終わり
ルパンの口から『恋の相談』なんて言葉が出るとは思わなかった。
アジトのリビング。
間に合わせで点けた小さなランプが琥珀色のグラスに揺れている。
氷がカラン、と澄んだ音を立てた。
「あなたが? 今度は誰を口説くつもりなの?」
揶揄うように横目で言うと、彼は軽く肩をすくめた。
「いやいや、真面目な話さ。俺の
友達。
チラリとルパンの目を見る。
彼がはぐらかす時によく使う逃げ道だ。
「奴は仲間内の女の子を好きになっちまってるんだけど、でもその子、まったく本気にしちゃくれないらしいんだ。参ったねえ」
ルパンはわざとらしく天井を見上げ、ため息をついた。
「で、奴はどうしたらスマートに想いを伝えられるか、ってわけよ」
手にしたグラスを軽く揺らして、私は口を開いた。
「その友達、貴方に似てるわね」
顔を見上げて、ルパンの目をじっと見つめる。
「ルパン、私の目は節穴じゃないわよ」
一瞬だけ、彼の手が止まった。
次の瞬間、いつもの調子で笑う。
「いやー、探偵さんの目は誤魔化せないねぇ」
「他人の恋を語る人って、大抵自分の恋の話をしてるものだわ」
グラスを傾けながら私は言う。
「正直に言いなさいよ、ルパン。不二子になんてプロポーズするつもり?」
「……まいったね」
彼は苦笑しながらグラスを掲げ、僅かに残っていた中身を一気に飲み干した。
「綾はとっつぁんより手強い」
「え?」
ルパンは片手を伸ばし、私の頬に触れた。
親指が微かに頬を撫でる。
「まだまだ、ホームズにはほど遠いね」
「は?」
「観察がたりないよ、ワトソン君。それじゃ、おやすみ」
「…………」
言葉の意味に気づかないまま、私はルパンの後ろ姿を見送った。
終わり