後で覚えてろ
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
パーティーが一段落し、人の流れがバルコニーへと散っていく。
綾はその端のソファで、ぐったりと身を沈めていた。
手にしたグラスが今にも手から滑り落ちそうだ。
次元は舌打ちをした。
「やべぇな。あれは完全に酔ってる」
歩み寄ると、綾は薄く目を開けて次元を見上げた。
「じげーん……」
目も声もとろんとしている。
次元は眉間にしわを寄せた。
「お前、どれだけ飲んだんだ」
「えへへ、ちょっとだけ」
「ちっとも“ちょっと”じゃねぇよ」
グラスを取り上げると、綾は不満そうに口を尖らせた。
立ち上がろうとして、すぐにぐらりと体勢を崩す。
次元がとっさに腕を伸ばすと、彼女はそのまま、倒れ込むように寄りかかった。
「んふふ、優しい……やっぱり次元は、優しい……」
「……はあ。こりゃダメだな」
抱えるようにして彼女を立たせる。
柔らかく笑う彼女は、いつもよりずっとあどけなく、無防備だ。
髪からふわりと香る甘い香りに、次元は気が散って仕方がない。
「歩けるか?」
「んーん、無理……お姫様抱っこがいい」
「言ってろ。……肩、貸すから、ほら」
不満げにしながらも、綾は次元の肩に素直に寄りかかる。
ふたりでゆっくり廊下を歩く。
「……次元だってさぁ、もっと私に甘えてもいいのに」
「は?」
「私、ちゃんと受け止めるよ? ほら、ほら、今だってこうやって、受け止めてるし」
「支えてるのはこっちだ」
「……そうだった。えへへ……」
そのまま部屋の前まで辿り着き、ドアを開けると、綾はベッドへぽすんと倒れ込んだ。
次元が毛布をかけてやると、綾は眠たげに目を細めた。
「ありがと、次元。大好き……」
小さく聞こえたその声に、次元は動きを止めた。
けれど綾はもう、小さな寝息を立てて眠っている。
少しの沈黙のあと、彼は帽子を深くかぶり直した。
「……明日の朝、覚えてろよ。ったく……」
その声は、どこか優しかった。
おわり
綾はその端のソファで、ぐったりと身を沈めていた。
手にしたグラスが今にも手から滑り落ちそうだ。
次元は舌打ちをした。
「やべぇな。あれは完全に酔ってる」
歩み寄ると、綾は薄く目を開けて次元を見上げた。
「じげーん……」
目も声もとろんとしている。
次元は眉間にしわを寄せた。
「お前、どれだけ飲んだんだ」
「えへへ、ちょっとだけ」
「ちっとも“ちょっと”じゃねぇよ」
グラスを取り上げると、綾は不満そうに口を尖らせた。
立ち上がろうとして、すぐにぐらりと体勢を崩す。
次元がとっさに腕を伸ばすと、彼女はそのまま、倒れ込むように寄りかかった。
「んふふ、優しい……やっぱり次元は、優しい……」
「……はあ。こりゃダメだな」
抱えるようにして彼女を立たせる。
柔らかく笑う彼女は、いつもよりずっとあどけなく、無防備だ。
髪からふわりと香る甘い香りに、次元は気が散って仕方がない。
「歩けるか?」
「んーん、無理……お姫様抱っこがいい」
「言ってろ。……肩、貸すから、ほら」
不満げにしながらも、綾は次元の肩に素直に寄りかかる。
ふたりでゆっくり廊下を歩く。
「……次元だってさぁ、もっと私に甘えてもいいのに」
「は?」
「私、ちゃんと受け止めるよ? ほら、ほら、今だってこうやって、受け止めてるし」
「支えてるのはこっちだ」
「……そうだった。えへへ……」
そのまま部屋の前まで辿り着き、ドアを開けると、綾はベッドへぽすんと倒れ込んだ。
次元が毛布をかけてやると、綾は眠たげに目を細めた。
「ありがと、次元。大好き……」
小さく聞こえたその声に、次元は動きを止めた。
けれど綾はもう、小さな寝息を立てて眠っている。
少しの沈黙のあと、彼は帽子を深くかぶり直した。
「……明日の朝、覚えてろよ。ったく……」
その声は、どこか優しかった。
おわり