そんなつもりじゃなかった
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現地の人に道を訊ねながら、綾は何とか市場を見つけてやって来た。
朝市みたいなものを想像していた彼女だったが、ソノラ市場の異様さに目を丸くして立ちすくんだ。
山積みにされた髑髏。
フードをかぶり鎌を手にした骸骨の像。
亀の甲羅。
足に釘の刺さった人形。
見るからに怪しげなモノが積まれた店が延々と並んでいる。
どうりで、道を訊ねた時に現地の人が「止めておけ」みたいな顔をした訳である。
(ヤバい所に来ちゃったかも……)
綾が帰ろうと回れ右をした時。
建物と建物の間の細い路地に、次元を見つけた。
彼に駆け寄ろうとして、足が止まる。
彼の向こう側に華奢な人影が見えた。
(誰……?)
黒いドレスを着た女性だった。
中東の踊り子を思わせるエキゾチックな雰囲気を持っている。
(まさか……)
次元がポケットから例の指輪を取り出した。
知らず知らずのうちに鼓動が早くなっていく。
指輪を受け取った彼女は黒い大きな目を丸くして驚き、それから感激した様子で彼の首に腕を回して抱きついた。
長い黒髪が彼女の動きにつられて流れるように揺れた。
ドクン、と心臓が跳ねた。
その音が聞こえたかのようなタイミングで、女性の視線が綾捉えた。
『あ……』
女性の口が動き、次元が振り返った。
『綾? どうしてお前がここに』
そう言われた気がして、恥ずかしさと後ろめたさで身体がカッと熱くなる。
綾は咄嗟に踵を返して、その場から逃げ出した。
「綾っ!」
次元の声が聞こえたが振り向けなかった。
無我夢中で走り、息が切れてようやく立ち止まった時には、自分がどこにいるのか分からなかった。
(どうしよう……)
誰かに道を尋ねようにもアジトの場所が分からないし、何より今は次元と顔を合わせたくない。
綾はあてもなくトボトボと歩いた。
(綺麗な人だったな)
足が痛い。胸はもっと痛い。
(失恋したの? 私)
まだ告白もしてないのにと、こんな事なら好きだと言えば良かったと、後悔が後から後から湧いてくる。
「ねぇ、君」
突然声をかけられて、綾は驚いて顔を上げた。
目の前には現地の青年らしき男が立っていた。
「何か困ってるみたいだったから声をかけたんだけど。俺で良ければ力になるよ」
「えっ?」
一瞬躊躇ったが、一人でアジトまで帰る自信もなく、結局青年の申し出を有り難く受けることにした。
「実は、道に迷ってしまって……」
「そう……それは大変だね。じゃあ俺が案内してあげる」
青年は綾の手をひいて歩き出した。
朝市みたいなものを想像していた彼女だったが、ソノラ市場の異様さに目を丸くして立ちすくんだ。
山積みにされた髑髏。
フードをかぶり鎌を手にした骸骨の像。
亀の甲羅。
足に釘の刺さった人形。
見るからに怪しげなモノが積まれた店が延々と並んでいる。
どうりで、道を訊ねた時に現地の人が「止めておけ」みたいな顔をした訳である。
(ヤバい所に来ちゃったかも……)
綾が帰ろうと回れ右をした時。
建物と建物の間の細い路地に、次元を見つけた。
彼に駆け寄ろうとして、足が止まる。
彼の向こう側に華奢な人影が見えた。
(誰……?)
黒いドレスを着た女性だった。
中東の踊り子を思わせるエキゾチックな雰囲気を持っている。
(まさか……)
次元がポケットから例の指輪を取り出した。
知らず知らずのうちに鼓動が早くなっていく。
指輪を受け取った彼女は黒い大きな目を丸くして驚き、それから感激した様子で彼の首に腕を回して抱きついた。
長い黒髪が彼女の動きにつられて流れるように揺れた。
ドクン、と心臓が跳ねた。
その音が聞こえたかのようなタイミングで、女性の視線が綾捉えた。
『あ……』
女性の口が動き、次元が振り返った。
『綾? どうしてお前がここに』
そう言われた気がして、恥ずかしさと後ろめたさで身体がカッと熱くなる。
綾は咄嗟に踵を返して、その場から逃げ出した。
「綾っ!」
次元の声が聞こえたが振り向けなかった。
無我夢中で走り、息が切れてようやく立ち止まった時には、自分がどこにいるのか分からなかった。
(どうしよう……)
誰かに道を尋ねようにもアジトの場所が分からないし、何より今は次元と顔を合わせたくない。
綾はあてもなくトボトボと歩いた。
(綺麗な人だったな)
足が痛い。胸はもっと痛い。
(失恋したの? 私)
まだ告白もしてないのにと、こんな事なら好きだと言えば良かったと、後悔が後から後から湧いてくる。
「ねぇ、君」
突然声をかけられて、綾は驚いて顔を上げた。
目の前には現地の青年らしき男が立っていた。
「何か困ってるみたいだったから声をかけたんだけど。俺で良ければ力になるよ」
「えっ?」
一瞬躊躇ったが、一人でアジトまで帰る自信もなく、結局青年の申し出を有り難く受けることにした。
「実は、道に迷ってしまって……」
「そう……それは大変だね。じゃあ俺が案内してあげる」
青年は綾の手をひいて歩き出した。