悪ィ。
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ルパンの計画では最短ルートで半日の予定だった。
夜になる前に国境を越え、既に入国しているルパンと合流する。
そういう手はずだったのだ。
「次元……」
辺りが薄暗くなってきた頃、綾が後ろからそっと俺のシャツの袖を引いた。
「あぁ?」
「なんか出そう……」
「何が」
「おっ、お化けとか……」
「ハロウィンじゃあるまいし」
「オオカミとかトラとか、人食い人種とか」
「出ねぇよ。テレビの見過ぎだ」
パキッ。バサバサッ。
足元で踏みつけた小枝が音を立て、すぐそばの木々から鳥が飛び立った。
「きゃーっ!」
いきなり背後から腰に回された細い腕。
「おい、離れろ!」
「やたやだっ。こわいよーっ」
ぎゅっとしがみついている手を引きはがし、その手を掴んだまま振り返る。
「次元……」
潤んだ声。
「ちょっ……」
なんつー顔してんだ!
顔を上げた彼女を見て、俺は心臓が止まるかと思った。
大きな瞳に涙が溜まり、白い肌は赤く色づき、額や首筋には汗で髪が張り付いている。
白地のシャツは、濡れて身体にぴったりとフィットし、妙に……
いやいやいや。
俺は狼狽した顔を隠そうと、慌ててそっぽを向いた。
「泣くんじゃねぇ」
「う……」
「何も出ねぇって言ったろ」
「でも……」
「万が一出たって俺が撃ち落としてやるから。だからもう泣くな」
綾は小さく頷き、俺はため息をついた。
ルパンに言わせりゃ、こういう所が可愛いんだそうだ。
俺にはさっぱり理解できない。
夜になる前に国境を越え、既に入国しているルパンと合流する。
そういう手はずだったのだ。
「次元……」
辺りが薄暗くなってきた頃、綾が後ろからそっと俺のシャツの袖を引いた。
「あぁ?」
「なんか出そう……」
「何が」
「おっ、お化けとか……」
「ハロウィンじゃあるまいし」
「オオカミとかトラとか、人食い人種とか」
「出ねぇよ。テレビの見過ぎだ」
パキッ。バサバサッ。
足元で踏みつけた小枝が音を立て、すぐそばの木々から鳥が飛び立った。
「きゃーっ!」
いきなり背後から腰に回された細い腕。
「おい、離れろ!」
「やたやだっ。こわいよーっ」
ぎゅっとしがみついている手を引きはがし、その手を掴んだまま振り返る。
「次元……」
潤んだ声。
「ちょっ……」
なんつー顔してんだ!
顔を上げた彼女を見て、俺は心臓が止まるかと思った。
大きな瞳に涙が溜まり、白い肌は赤く色づき、額や首筋には汗で髪が張り付いている。
白地のシャツは、濡れて身体にぴったりとフィットし、妙に……
いやいやいや。
俺は狼狽した顔を隠そうと、慌ててそっぽを向いた。
「泣くんじゃねぇ」
「う……」
「何も出ねぇって言ったろ」
「でも……」
「万が一出たって俺が撃ち落としてやるから。だからもう泣くな」
綾は小さく頷き、俺はため息をついた。
ルパンに言わせりゃ、こういう所が可愛いんだそうだ。
俺にはさっぱり理解できない。