数日後。

「ちょっとルパン！」

アジトの玄関先で不二子が怒鳴った。

「今そこで綾とすれ違ったんだけど、何よアレは！」

不二子はルパンに詰め寄った。

「何って、何が」

「綾ったら、スクーターとは思えない速さですっ飛んでったわよ⁉︎」

「そりゃあ、車取り上げたからなぁ」

「そういう問題⁉︎」

「ここんとこずっと、ガレージにあったスクーターを改造してたぜ」

ルパンは苦笑し、不二子はため息をついた。

「なんであんな走り屋みたいな子になっちゃったのよ……」

我が子が不良になったような口ぶりである。

（俺らのせい……だよな……）

ルパンには分かっていた。

綾は普段から、ルパン達のアクロバティックなカーチェイスを間近で見ている。

それが、彼女の運転の基準になっているのだ。

（言えないな、これは……）

ルパンは冷や汗をかいた。



おわり