綾は自室に駆け込んだ。ドアを閉めてズルズルと床に座り込む。

（覚悟していたけど、やっぱり面と向かって言われると辛いな……）

大きなため息をついた。

「お疲れさん」

正面からかけられた声に、綾はハッとして顔を上げる。

ルパンがベッドに足を組んで座っていた。

「お望み通り振られたわ。満足？」

綾はルパンを睨みつけた。

ルパンはまぁねと肩をすくめる。

「次元の声、ここまで聞こえたぜ。綾、何を言ったんだ？」

「……派手にやっちゃったから、ちゃんとフォローしといてよね。これで解散なんてことになったら、一生恨むから」

「分かってるよ、心配すんな」

ルパンはそれだけ言って立ち上がった。

部屋を出て行こうとしてドアのところで立ち止まる。

「綾」

ルパンと入れ違いにベッドへ歩み寄った綾はドアの方を振り返った。

「何よ。まだ何か？」

「泣くなら、胸貸すぜ？」

「余計なお世話！」

綾は枕を掴んで投げつけた。

ルパンは笑いながら急いで部屋を出ていき、枕はドアに当たって床に転がった。