肉じゃがか……
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手を動かしながら彼の様子を観察していると、最初はコマ切れだった皮が、だんだん長く剥けるようになってきた。
調子がノッてきたらしく、鼻歌まで飛び出る始末。
「ア、ソレ、Y~MCA、Y~MCA」
どうなんですかその選曲……。
で、切り終えて一言。
「またつまらぬ物を斬っておいた」
わかった、わかったから。ありがとう。
「じゃそれは鍋に入れて。一緒に煮るから」
五エ門は鍋を覗きこんだ。
「肉じゃがか……」
「ピンポーン。私はリビング片付けてくるから、五エ門はお鍋を見ててね」
ところがそれがまずかった。
キッチンに戻ってみると、鍋が焦げ付いているではないか。
「しかと見届けたぞ」
いや、そんなに胸を張って言うことじゃないから。
「もう食べられないよ、これ……」
「諸行無常だ」
ちっとも分かってない。
「あのねっ! ただ見てたってダメなの! こげる前に火を止めてほしかったの!」
はー、はー。
大声で怒鳴ってからチラリと五エ門を見ると、彼は困ったような顔をして私を見つめていた。
「すまなかった……」
シュンとしてうつむき加減になる。
「拙者心眼が開かれるまでは星を友とし、草を枕にする所存……」
え? ち、ちょっと。
私は慌てた。
「ダメっ。ジャンケンして」
じゃんけん、ポイッ。
……五エ門、パーしか出せないのかな。
「私の勝ち。修業は中止ね」
そう言って、私は五エ門に歩み寄った。
手招きして、背の高い彼に屈んでもらう。
「私の説明不足だったのに、怒鳴ったりしてごめんなさい。一緒にご飯を作って、仲良く食べたかっただけなの」
頬にキス。
「今日は外に食べに行こう? いいでしょ?」
彼は真っ赤になって足早に玄関へ向かう。
私の手をしっかり握って。
「もちろん、決まっておる。レッツゴーの一手あるのみ!」
おわり。
調子がノッてきたらしく、鼻歌まで飛び出る始末。
「ア、ソレ、Y~MCA、Y~MCA」
どうなんですかその選曲……。
で、切り終えて一言。
「またつまらぬ物を斬っておいた」
わかった、わかったから。ありがとう。
「じゃそれは鍋に入れて。一緒に煮るから」
五エ門は鍋を覗きこんだ。
「肉じゃがか……」
「ピンポーン。私はリビング片付けてくるから、五エ門はお鍋を見ててね」
ところがそれがまずかった。
キッチンに戻ってみると、鍋が焦げ付いているではないか。
「しかと見届けたぞ」
いや、そんなに胸を張って言うことじゃないから。
「もう食べられないよ、これ……」
「諸行無常だ」
ちっとも分かってない。
「あのねっ! ただ見てたってダメなの! こげる前に火を止めてほしかったの!」
はー、はー。
大声で怒鳴ってからチラリと五エ門を見ると、彼は困ったような顔をして私を見つめていた。
「すまなかった……」
シュンとしてうつむき加減になる。
「拙者心眼が開かれるまでは星を友とし、草を枕にする所存……」
え? ち、ちょっと。
私は慌てた。
「ダメっ。ジャンケンして」
じゃんけん、ポイッ。
……五エ門、パーしか出せないのかな。
「私の勝ち。修業は中止ね」
そう言って、私は五エ門に歩み寄った。
手招きして、背の高い彼に屈んでもらう。
「私の説明不足だったのに、怒鳴ったりしてごめんなさい。一緒にご飯を作って、仲良く食べたかっただけなの」
頬にキス。
「今日は外に食べに行こう? いいでしょ?」
彼は真っ赤になって足早に玄関へ向かう。
私の手をしっかり握って。
「もちろん、決まっておる。レッツゴーの一手あるのみ!」
おわり。