ルパン三世VSキャッツ♡アイ
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「お電話でもお話しした通り、キャッツ・アイという泥棒についてお伺いしたいのですが」
私は手帳を取り出して彼を見つめた。
次元はボイスレコーダーをテーブルに置いて録音を始める。
「キャッツ・アイは有名画廊や美術館から名画を盗む女怪盗です。盗む前に必ずキャッツカードと呼ばれるカードサイズの予告状を出してきて、毎回予告通りに盗んでいく」
「女……単独犯でしょうか?」
「いや。少なくとも女3人は確認しています」
「3人組ですか、ルパン三世みたいですね。あちらは男性ですけれど」
私はそう言って次元を見た。
彼は余計なことを、という顔をする。
内海刑事は自分が知り得たキャッツ・アイの容姿や身体能力の高さなどを細かに説明してくれた。
ある意味、捜査情報の漏洩ではなかろうか。
こちらとしては有り難いけれど、こんなに軽率だと少し心配になる。
でもこの口の軽さのせいでキャッツ・アイに情報が伝わるなら、万々歳だ。
「キャッツ・アイのターゲットは主に絵画のようですが」
「そうそう。知ってるかなぁ、ミケール・ハインツっていう画家。その作品ばかりを狙っているんですよ」
「ミケール・ハインツ⁉︎」
私は驚いて次元と顔を見合わせた。
もちろん演技である。
「それじゃ、あの絵も狙われるかもしれない……」
「あの絵、とは?」内海刑事が身を乗り出した。
作戦成功。私は有名画廊の写真を見せる。
「つい先日、こちらの画廊にミケール・ハインツの幻の連作があるっていう話を聞いたものですから」
「幻の連作⁉︎」
ひときわ大声で叫んだ内海刑事。
店内の客が一斉に振り返る。
「トシ。店内で騒がないでちょうだい」
先ほどのウェイトレスがコーヒーを運んできた。
テーブルに置かれた画廊の写真に目を止める。
「あら、この画廊」
「知ってるのか、瞳」
瞳と呼ばれたウェイトレスは店内に飾られた絵を指さした。
「あの絵もこの画廊で見つけたのよ。オーナーのセンスが良いのよね」
「オーナーをご存じなんですか」
「えぇ。姉が親しくて」
瞳さんはそう言ってカウンターの方へ視線を向けた。
彼女の視線の先にグラスを磨いている女性がいた。
姉であろうその女性と目が合う。
にっこり微笑まれたので、軽く会釈を返す。
「もしその絵画が本物なら、数日のうちにキャッツが予告状を出すに違いない。こりゃのんびりしていられない。これから画廊に行って確かめてくる!」
内海刑事は立ち上がった。
私たちも慌てて立ち上がる。
「何かわかりましたら、ご連絡ください」私は内海刑事に右手を差し出した。「キャッツの予告状が出たら」
「あぁ」
内海刑事はジャケットで右手をゴシゴシこすると、私の手を握った。
それから間もなく。
例の画廊にキャッツ・カードが投げ込まれたと内海刑事から知らされた。
「第1段階クリアね」私はルパンを見上げた。「今までのケースから、特捜班に話せばその内キャッツアイに伝わるって思ったけど、まさかこんなに早いなんて……あの刑事さん、本当はキャッツ・アイの一味なんじゃないの?」
「かもな」ルパンは満足そうに笑った。「ゴクローサン、綾。後は俺たちの出番だ」
「ご褒美は?」
「……クリュッグを冷やしてあるよ」
「やった、ルパン大好き!」
黄金に輝く液体とクリーミーな泡を思い浮かべて、思わず小躍りする。
ポテチを用意しよう。
勿体ないとか言わないで。
誰がなんと言おうとポテチが1番合うと思う。
「ゲンキンだなぁ」
ルパンは笑って私の頭を撫でた。
おわり
私は手帳を取り出して彼を見つめた。
次元はボイスレコーダーをテーブルに置いて録音を始める。
「キャッツ・アイは有名画廊や美術館から名画を盗む女怪盗です。盗む前に必ずキャッツカードと呼ばれるカードサイズの予告状を出してきて、毎回予告通りに盗んでいく」
「女……単独犯でしょうか?」
「いや。少なくとも女3人は確認しています」
「3人組ですか、ルパン三世みたいですね。あちらは男性ですけれど」
私はそう言って次元を見た。
彼は余計なことを、という顔をする。
内海刑事は自分が知り得たキャッツ・アイの容姿や身体能力の高さなどを細かに説明してくれた。
ある意味、捜査情報の漏洩ではなかろうか。
こちらとしては有り難いけれど、こんなに軽率だと少し心配になる。
でもこの口の軽さのせいでキャッツ・アイに情報が伝わるなら、万々歳だ。
「キャッツ・アイのターゲットは主に絵画のようですが」
「そうそう。知ってるかなぁ、ミケール・ハインツっていう画家。その作品ばかりを狙っているんですよ」
「ミケール・ハインツ⁉︎」
私は驚いて次元と顔を見合わせた。
もちろん演技である。
「それじゃ、あの絵も狙われるかもしれない……」
「あの絵、とは?」内海刑事が身を乗り出した。
作戦成功。私は有名画廊の写真を見せる。
「つい先日、こちらの画廊にミケール・ハインツの幻の連作があるっていう話を聞いたものですから」
「幻の連作⁉︎」
ひときわ大声で叫んだ内海刑事。
店内の客が一斉に振り返る。
「トシ。店内で騒がないでちょうだい」
先ほどのウェイトレスがコーヒーを運んできた。
テーブルに置かれた画廊の写真に目を止める。
「あら、この画廊」
「知ってるのか、瞳」
瞳と呼ばれたウェイトレスは店内に飾られた絵を指さした。
「あの絵もこの画廊で見つけたのよ。オーナーのセンスが良いのよね」
「オーナーをご存じなんですか」
「えぇ。姉が親しくて」
瞳さんはそう言ってカウンターの方へ視線を向けた。
彼女の視線の先にグラスを磨いている女性がいた。
姉であろうその女性と目が合う。
にっこり微笑まれたので、軽く会釈を返す。
「もしその絵画が本物なら、数日のうちにキャッツが予告状を出すに違いない。こりゃのんびりしていられない。これから画廊に行って確かめてくる!」
内海刑事は立ち上がった。
私たちも慌てて立ち上がる。
「何かわかりましたら、ご連絡ください」私は内海刑事に右手を差し出した。「キャッツの予告状が出たら」
「あぁ」
内海刑事はジャケットで右手をゴシゴシこすると、私の手を握った。
それから間もなく。
例の画廊にキャッツ・カードが投げ込まれたと内海刑事から知らされた。
「第1段階クリアね」私はルパンを見上げた。「今までのケースから、特捜班に話せばその内キャッツアイに伝わるって思ったけど、まさかこんなに早いなんて……あの刑事さん、本当はキャッツ・アイの一味なんじゃないの?」
「かもな」ルパンは満足そうに笑った。「ゴクローサン、綾。後は俺たちの出番だ」
「ご褒美は?」
「……クリュッグを冷やしてあるよ」
「やった、ルパン大好き!」
黄金に輝く液体とクリーミーな泡を思い浮かべて、思わず小躍りする。
ポテチを用意しよう。
勿体ないとか言わないで。
誰がなんと言おうとポテチが1番合うと思う。
「ゲンキンだなぁ」
ルパンは笑って私の頭を撫でた。
おわり