ルパン三世VSキャッツ♡アイ
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「馬子にも衣装だな」
ジャーナリストを装うためにスーツなど着こんでいたが、その台詞はさすがに失礼じゃないですかね。
スーツも着こなせない女、みたいな。
私はムッとして声の主を振り返った。
「あ……」
「なんだ、人のことをお化けが出たみたいな顔で見やがって」
次元は振り返って自分の背後を確かめている。
本当に苦手なのかも。お化け。
次元もジャーナリストっぽく変装していた。
その姿にちょっとときめいたのは内緒だ。
次元の運転で新宿を目指した。
「犬鳴署にキャッツ・アイの特捜班があるの。そこの刑事さんにキャッツ・アイの特集を企画しているからと言ってアポをとった」
「特捜ねぇ。銭形みたいなもんか」
「特捜って言っても、本来は捜査3課のお手伝い的な部署らしいよ。もしかしたらルパンも追っかけられる羽目になるかもね」
「電話での印象はどうだった? できそうな奴か?」
「んー、声や話し方からは優しそうな感じがした。できる男かどうかは微妙かな。彼が切れ者なら、キャッツ・アイはとっくに捕まってると思うし」
「ははっ、ちげぇねぇ」
犬鳴署の裏手にある喫茶店のドアに手を伸ばすと、次元が声をかけた。
「おい、どこへ行くんだ。犬鳴署へ行くんじゃねぇのか」
「待ち合わせにここを指定されたの。キャッツ・アイの特捜班がたむろするにはぴったりだと思わない?」
COFFEE HOUSE CAT'S EYE
ガラスのドアに書かれた店名を確認し、次元はニヤリと笑った。
ドアを開けるとカランカランとドアベルが鳴った。
「いらっしゃい」と女性の声に出迎えられる。
店内はわりとにぎわっていた。
待ち合わせ時間きっかりだというのに、入口を気にしている男性はおらず、誰とも視線が合うことがない。
どの人が刑事だか分からなかった。
「こちらへどうぞ」とテーブル席へ案内され、私はコーヒーの注文とともに言った。
「あの、犬鳴署の内海さんって方と待ち合わせをしているのですが……」
「あぁ、あなたが!」ウェイトレスはカウンター席へ行って1人の男性に声をかけた。「トシ。ねぇ、トシったら」
どうやら内海刑事は居眠りをしていたようだ。
ウェイトレスが肩を揺さぶっている。
「お客様がいらしたわよ」
「よせよ、浅谷クン……」
寝ぼけた声にウェイトレスの顔色が変わった。
明らかに怒った様子で耳元に口を寄せる。
「お客様よ!!!」
フルボリュームに驚いた内海刑事は椅子から飛び上がった。
「キャッツか! どこだ⁉︎」
「相変わらずだねぇ、トシも。おねぇだよ」内海刑事の隣に座っていた少女が呆れた声で言う。「愛しい恋人と単なる同僚の声が聞き分けらんないって、どうなの」
「ハハ、手厳しいな、愛ちゃん……」
「早くおねぇのご機嫌とったほうが良いと思うよ。どうなってもボク知らないよー」
内海刑事がギギギ、と錆びついたロボットのようなぎこちなさでウェイトレスを振り返る。
「瞳……」
「お客様が待ってるわよ。3番テーブル」
事務的な声で告げると、ウェイトレスはプイと内海刑事に背を向けた。
かなりご立腹だ。
内海刑事は彼女を気にしつつ、私たちのところへやってきた。
私たちは立ち上がって彼を迎える。
「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
名刺を渡し、ソファに腰を下ろす。
背は高いが、銭形警部と比べるとやや頼りなさそうな男性だった。
「いやぁ、お恥ずかしいところを……」と、頭をかきながら照れたように笑った。
人の好さが顔ににじみ出ている。子供に好かれるタイプだ。
ジャーナリストを装うためにスーツなど着こんでいたが、その台詞はさすがに失礼じゃないですかね。
スーツも着こなせない女、みたいな。
私はムッとして声の主を振り返った。
「あ……」
「なんだ、人のことをお化けが出たみたいな顔で見やがって」
次元は振り返って自分の背後を確かめている。
本当に苦手なのかも。お化け。
次元もジャーナリストっぽく変装していた。
その姿にちょっとときめいたのは内緒だ。
次元の運転で新宿を目指した。
「犬鳴署にキャッツ・アイの特捜班があるの。そこの刑事さんにキャッツ・アイの特集を企画しているからと言ってアポをとった」
「特捜ねぇ。銭形みたいなもんか」
「特捜って言っても、本来は捜査3課のお手伝い的な部署らしいよ。もしかしたらルパンも追っかけられる羽目になるかもね」
「電話での印象はどうだった? できそうな奴か?」
「んー、声や話し方からは優しそうな感じがした。できる男かどうかは微妙かな。彼が切れ者なら、キャッツ・アイはとっくに捕まってると思うし」
「ははっ、ちげぇねぇ」
犬鳴署の裏手にある喫茶店のドアに手を伸ばすと、次元が声をかけた。
「おい、どこへ行くんだ。犬鳴署へ行くんじゃねぇのか」
「待ち合わせにここを指定されたの。キャッツ・アイの特捜班がたむろするにはぴったりだと思わない?」
COFFEE HOUSE CAT'S EYE
ガラスのドアに書かれた店名を確認し、次元はニヤリと笑った。
ドアを開けるとカランカランとドアベルが鳴った。
「いらっしゃい」と女性の声に出迎えられる。
店内はわりとにぎわっていた。
待ち合わせ時間きっかりだというのに、入口を気にしている男性はおらず、誰とも視線が合うことがない。
どの人が刑事だか分からなかった。
「こちらへどうぞ」とテーブル席へ案内され、私はコーヒーの注文とともに言った。
「あの、犬鳴署の内海さんって方と待ち合わせをしているのですが……」
「あぁ、あなたが!」ウェイトレスはカウンター席へ行って1人の男性に声をかけた。「トシ。ねぇ、トシったら」
どうやら内海刑事は居眠りをしていたようだ。
ウェイトレスが肩を揺さぶっている。
「お客様がいらしたわよ」
「よせよ、浅谷クン……」
寝ぼけた声にウェイトレスの顔色が変わった。
明らかに怒った様子で耳元に口を寄せる。
「お客様よ!!!」
フルボリュームに驚いた内海刑事は椅子から飛び上がった。
「キャッツか! どこだ⁉︎」
「相変わらずだねぇ、トシも。おねぇだよ」内海刑事の隣に座っていた少女が呆れた声で言う。「愛しい恋人と単なる同僚の声が聞き分けらんないって、どうなの」
「ハハ、手厳しいな、愛ちゃん……」
「早くおねぇのご機嫌とったほうが良いと思うよ。どうなってもボク知らないよー」
内海刑事がギギギ、と錆びついたロボットのようなぎこちなさでウェイトレスを振り返る。
「瞳……」
「お客様が待ってるわよ。3番テーブル」
事務的な声で告げると、ウェイトレスはプイと内海刑事に背を向けた。
かなりご立腹だ。
内海刑事は彼女を気にしつつ、私たちのところへやってきた。
私たちは立ち上がって彼を迎える。
「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
名刺を渡し、ソファに腰を下ろす。
背は高いが、銭形警部と比べるとやや頼りなさそうな男性だった。
「いやぁ、お恥ずかしいところを……」と、頭をかきながら照れたように笑った。
人の好さが顔ににじみ出ている。子供に好かれるタイプだ。