シャーロック・ホームズ
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綾は出口でホームズが出てくるのを待つつもりだったが、もう待ってはいられない。非常事態だ。
レストレードに聞いた情報を伝えるため、綾は入口へと走った。
「わっ⁉︎」
寺院の角に沿って曲がった先で、出会い頭に人とぶつかった。反動で突き飛ばされ、尻餅をつく。
「大丈夫かい?」
フランスなまりの言葉に顔を上げると、背の高い男性だった。この場所には不釣り合いに思える、真っ赤な上着を着ている。
「あ、ありがとうございます」
差し出された手を借りて立ち上がる。
男性がスカートについた土を払ってくれた。
「ごめんよ、よそ見をしてたもんだから」
「こちらこそ、すみません」
綾が頭を下げると、男性はイヤイヤと手を振って笑った。
「それじゃあ、急いでるんで」
もう一度ヒョコッと頭を下げて、綾は駆け出した。
「あ、いたいた。ホームズさーん!」
待機所にいたホームズに手を振って綾は駆け寄った。ホームズは露骨に嫌な顔をする。
「大声を出すな、恥ずかしい」
「大ニュースですよホームズさんっ」
綾は満面の笑みを浮かべて得意げだ。ホームズは胡散臭そうに目を細めて彼女を見た。
「大ニュースとは、君が歴代の王の墓前で畏れ多くも子供の様に走り回ったあげく、迂闊にも滑って転んだことか?」
「勝手に推理しないでください」綾は口を尖らせた。
「概ね当たってますけど。転んだのは、角でフランス訛りの男性とぶつかったからです」
「フランス…… ?」
ホームズの顔が険しくなった。フランス嫌いの国民性が顔に出ている。
「いや、優しい人でしたよ?助け起こしてくれて、スカートの土を払ってくれて」
「君は派手好きで横柄なカエル野郎の肩を持つのか」
「そこまで言わなくても……まぁ、派手でしたけど。 真っ赤な上着を着ていて、『赤い靴』みたいに踊り続けることにならないかなって……」
ガタン。急にホームズが立ち上がり、綾の言葉を遮った。
「ホームズさん……?」
「綾、緊急事態だ。ソフィに連絡を」
その声に緊張の響きを感じて綾は息をのんだ。
「行くぞ」
駆け出したホームズに続いて、綾も慌てて走り出した。
レストレードに聞いた情報を伝えるため、綾は入口へと走った。
「わっ⁉︎」
寺院の角に沿って曲がった先で、出会い頭に人とぶつかった。反動で突き飛ばされ、尻餅をつく。
「大丈夫かい?」
フランスなまりの言葉に顔を上げると、背の高い男性だった。この場所には不釣り合いに思える、真っ赤な上着を着ている。
「あ、ありがとうございます」
差し出された手を借りて立ち上がる。
男性がスカートについた土を払ってくれた。
「ごめんよ、よそ見をしてたもんだから」
「こちらこそ、すみません」
綾が頭を下げると、男性はイヤイヤと手を振って笑った。
「それじゃあ、急いでるんで」
もう一度ヒョコッと頭を下げて、綾は駆け出した。
「あ、いたいた。ホームズさーん!」
待機所にいたホームズに手を振って綾は駆け寄った。ホームズは露骨に嫌な顔をする。
「大声を出すな、恥ずかしい」
「大ニュースですよホームズさんっ」
綾は満面の笑みを浮かべて得意げだ。ホームズは胡散臭そうに目を細めて彼女を見た。
「大ニュースとは、君が歴代の王の墓前で畏れ多くも子供の様に走り回ったあげく、迂闊にも滑って転んだことか?」
「勝手に推理しないでください」綾は口を尖らせた。
「概ね当たってますけど。転んだのは、角でフランス訛りの男性とぶつかったからです」
「フランス…… ?」
ホームズの顔が険しくなった。フランス嫌いの国民性が顔に出ている。
「いや、優しい人でしたよ?助け起こしてくれて、スカートの土を払ってくれて」
「君は派手好きで横柄なカエル野郎の肩を持つのか」
「そこまで言わなくても……まぁ、派手でしたけど。 真っ赤な上着を着ていて、『赤い靴』みたいに踊り続けることにならないかなって……」
ガタン。急にホームズが立ち上がり、綾の言葉を遮った。
「ホームズさん……?」
「綾、緊急事態だ。ソフィに連絡を」
その声に緊張の響きを感じて綾は息をのんだ。
「行くぞ」
駆け出したホームズに続いて、綾も慌てて走り出した。