シャーロック・ホームズ
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「ちゃんと接種してきてくださいよ!」と念を押して会場へ入っていくホームズを見送り、綾はため息をついた。
ホームズさんのそばにいると、ため息の数は格段に増える───と綾は思う。
それでも彼から離れないのは、名推理で数々の難事件を解決した彼が、綾の脳裏に鮮明に焼き付いているからだ。
(あの頃はホント、カッコよかったのに)
今は見る影もない。依頼も減り、身なりにも気を配らなくなった。綾が口酸っぱく言わなければ、落武者の様になっている。
(イギリス人に落武者って何よ……)
自分でツッコミを入れて、思わずクスリと笑った。
「綾?」
突然声をかけられて、綾は我に返った。
ソフィ・レストレード警部が長いブロンドを揺らして駆け寄ってきた。
「もしかしてホームズの付き添い? まったくアイツったら、また綾に世話を焼かせて!」
「レストレード警部……」
綾はプリプリと怒っているレストレードに愛想笑いを浮かべ、まぁまぁと宥めた。
「警部も接種ですか?」
「仕事よ。お偉いさんの同行」
「何か事件ですか!?」
綾は思わず前のめりになった。
「それが、よくわかんないの」レストレードは肩をすくめる。
「ICPOの警部が突然やってきて、怪盗がロンドンに来てるって言うのよ」
「怪盗? ホーナングの小説に出てくる、ラッフルズみたいなやつですか?」
「紳士泥棒? そんなのがもし本当にこのロンドンにいるんなら、お目にかかりたいわよ」
レストレードは懐疑的だった。
だが綾は違う。
(ICPOが追っている怪盗……それをホームズさんが捕まえられたら……)
「もう行かなきゃ!」綾は駆け出した。
「さよなら、警部!」
「あ、ちょっと!」
レストレードが呼び止めたが、綾は軽やかに走り去った。
怪盗がロンドンにいるという証拠はない。
ICPOの警部は自信ありげに言ったのだ。
わしの勘、と───
ホームズさんのそばにいると、ため息の数は格段に増える───と綾は思う。
それでも彼から離れないのは、名推理で数々の難事件を解決した彼が、綾の脳裏に鮮明に焼き付いているからだ。
(あの頃はホント、カッコよかったのに)
今は見る影もない。依頼も減り、身なりにも気を配らなくなった。綾が口酸っぱく言わなければ、落武者の様になっている。
(イギリス人に落武者って何よ……)
自分でツッコミを入れて、思わずクスリと笑った。
「綾?」
突然声をかけられて、綾は我に返った。
ソフィ・レストレード警部が長いブロンドを揺らして駆け寄ってきた。
「もしかしてホームズの付き添い? まったくアイツったら、また綾に世話を焼かせて!」
「レストレード警部……」
綾はプリプリと怒っているレストレードに愛想笑いを浮かべ、まぁまぁと宥めた。
「警部も接種ですか?」
「仕事よ。お偉いさんの同行」
「何か事件ですか!?」
綾は思わず前のめりになった。
「それが、よくわかんないの」レストレードは肩をすくめる。
「ICPOの警部が突然やってきて、怪盗がロンドンに来てるって言うのよ」
「怪盗? ホーナングの小説に出てくる、ラッフルズみたいなやつですか?」
「紳士泥棒? そんなのがもし本当にこのロンドンにいるんなら、お目にかかりたいわよ」
レストレードは懐疑的だった。
だが綾は違う。
(ICPOが追っている怪盗……それをホームズさんが捕まえられたら……)
「もう行かなきゃ!」綾は駆け出した。
「さよなら、警部!」
「あ、ちょっと!」
レストレードが呼び止めたが、綾は軽やかに走り去った。
怪盗がロンドンにいるという証拠はない。
ICPOの警部は自信ありげに言ったのだ。
わしの勘、と───