June bride
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海の見える可愛らしい式場で。
真っ白なウェディングドレスを着て。
「次元。五エ門」
廊下で待機していた2人を見つけた綾が小走りでやってくる。
五エ門は口ごもりながら似合うとかなんとか言った。
「ありがとう」
そのまま視線を次元へ移せば、一瞬目が合った次元は、すぐに興味なさげに視線をそらしてしまった。
「ちょっと。何か言うことあるでしょ?」
「……ルパンはどうした」
「そうじゃなくて……まぁ、言うだけ無駄ね」
綾はため息をついた。
「ルパンなら、さっきターゲットを見つけて尾行していったわよ」
なるほど。彼女に笑顔がないのは、それが原因か。
五エ門はひそかに納得する。
ルパンはこの式場にお目当ての宝飾品を持ったターゲットが現れるという情報を聞きつけて、長時間いても怪しまれない状況づくりのためにウェディングフォトを撮りに来たのだ。
「あの結婚詐欺師……」
綾はレースの手袋をした手を握りしめた。
「まぁまぁ」
五エ門がなだめに入った。
「喉が渇かないか? うん? 拙者が茶など買ってきて進ぜよう」
「ありがとう。お願い」
「承知」
飲み物は『ついで』で、きっとルパンを探しに行ったのだろうと綾は思った。
彼女がオカンムリだぞと忠告しに行ったのだ。
「仲間思いだこと……」
「何か言ったか?」
次元が振り返った。
「べつに」
「そう仏頂面するな。せっかく綺麗なカッコしてるのによ」
「今さら言っても遅い。それに、そういうことはまず花婿に言ってもらいたいよね。『綾、綺麗だよ』って」
「逃げられちゃあ、仕方ねえな」
「まぁね」
綾は笑った。
どうせこんな事だろうとは思っていたので、怒りも長続きしない。
「あぁ、こんな所にいらした!」
二人を見つけたスタッフが慌てて飛んできた。
控室に入って、次元をカーテンの向こう側に押しやる。
「急いでお着替えください」
「なに?」
次元は目を丸くした。
「いや、俺は……」
違うと言いかけた次元を無視して、スタッフは説明を続ける。
「衣装はそちらにご用意してありますから。着替えの間に、私はカメラマンの方を見てまいります」
「おい綾……」
助け舟を期待して彼女を見やれば、彼女はにっこり笑って言った。
「往生際が悪いわよ、ハニー」
次元の目の前でカーテンがサッと閉まった。
真っ白なウェディングドレスを着て。
「次元。五エ門」
廊下で待機していた2人を見つけた綾が小走りでやってくる。
五エ門は口ごもりながら似合うとかなんとか言った。
「ありがとう」
そのまま視線を次元へ移せば、一瞬目が合った次元は、すぐに興味なさげに視線をそらしてしまった。
「ちょっと。何か言うことあるでしょ?」
「……ルパンはどうした」
「そうじゃなくて……まぁ、言うだけ無駄ね」
綾はため息をついた。
「ルパンなら、さっきターゲットを見つけて尾行していったわよ」
なるほど。彼女に笑顔がないのは、それが原因か。
五エ門はひそかに納得する。
ルパンはこの式場にお目当ての宝飾品を持ったターゲットが現れるという情報を聞きつけて、長時間いても怪しまれない状況づくりのためにウェディングフォトを撮りに来たのだ。
「あの結婚詐欺師……」
綾はレースの手袋をした手を握りしめた。
「まぁまぁ」
五エ門がなだめに入った。
「喉が渇かないか? うん? 拙者が茶など買ってきて進ぜよう」
「ありがとう。お願い」
「承知」
飲み物は『ついで』で、きっとルパンを探しに行ったのだろうと綾は思った。
彼女がオカンムリだぞと忠告しに行ったのだ。
「仲間思いだこと……」
「何か言ったか?」
次元が振り返った。
「べつに」
「そう仏頂面するな。せっかく綺麗なカッコしてるのによ」
「今さら言っても遅い。それに、そういうことはまず花婿に言ってもらいたいよね。『綾、綺麗だよ』って」
「逃げられちゃあ、仕方ねえな」
「まぁね」
綾は笑った。
どうせこんな事だろうとは思っていたので、怒りも長続きしない。
「あぁ、こんな所にいらした!」
二人を見つけたスタッフが慌てて飛んできた。
控室に入って、次元をカーテンの向こう側に押しやる。
「急いでお着替えください」
「なに?」
次元は目を丸くした。
「いや、俺は……」
違うと言いかけた次元を無視して、スタッフは説明を続ける。
「衣装はそちらにご用意してありますから。着替えの間に、私はカメラマンの方を見てまいります」
「おい綾……」
助け舟を期待して彼女を見やれば、彼女はにっこり笑って言った。
「往生際が悪いわよ、ハニー」
次元の目の前でカーテンがサッと閉まった。