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「けもの道っていうか、ケモノも通らないよね、こんなトコ」
島を探索しようと思い立った二人は、島の中心部分である森へと入っていった。
鬱蒼とした木々の中を歩きながら、綾がブツブツ言う。
「そもそもこの島、動物いるのかな?」
「いるんじゃねえか? 蛇とかトカゲとか……ほらソコ!」
イヤァ!という綾の悲鳴に、次元はニヤリと笑う。
「ほんっと底意地の悪い!」
綾はプリプリ怒って先へ行ってしまった。
「おい綾……」
声をかけたと同時に、ザザザッという木の葉が大きく揺れる音がした。
彼女の悲鳴が上がる。
「綾!」
腰からマグナムを引き抜いて駆け出した。
崖から転落。
大型動物に遭遇。
最悪なケースが頭をよぎり、背筋が凍る。
「綾!」
ふいに視界が開けたかと思うと、彼女の悲鳴の原因が判明する。
「……狩猟用のワナか」
「納得してないで助けてよ!」
頭上から怒ったような困ったような綾の声が降ってきた。
よくしなる木と細い弦を利用して作られた、獲物を宙吊りにするトラップに片足をとられ、空中に逆さ吊りになっている。
「いい眺めだな。タバコでも吸いたいところだ」
「バカなこと言ってないで、早く下ろして!」
綾は真っ赤になってスカートを押さえている。
「へいへい」
次元は木のつるを引っ張った。
(まだ乾燥していない。ってことは、作られて何年も経っていない……)
地面に下ろした綾をそのまま抱き寄せ、耳をすませて辺りの気配を探る。
何も感じられなかった。
このトラップを仕掛けた人間は、この島に次元たちがたどり着く少し前に脱出したか、精も魂も尽き果てて生きるのを放棄したか、どちらかだろう。
「次元……?」
神経を張り詰めていた次元は、綾の声で我に返った。
腕の中で、綾は怪訝そうに次元を見上げている。
「どうしたの?」
「いや。抱き心地が良いと思ってよ」
正直に話せば彼女を怖がらせるだけだと思い、次元はそう答えた。
彼女の目が驚きで一瞬大きくなり、それから落ち着かない様子で視線を泳がせる。
「海水で髪も服もゴワゴワなのに、よく言うよ」
綾は頬を染めながらも、照れ隠しに拗ねた顔をする。
そんな仕草がたまらなく愛おしくて、次元はギュッと綾を抱きしめた。
「ゴワゴワはお互い様だ」
島を探索しようと思い立った二人は、島の中心部分である森へと入っていった。
鬱蒼とした木々の中を歩きながら、綾がブツブツ言う。
「そもそもこの島、動物いるのかな?」
「いるんじゃねえか? 蛇とかトカゲとか……ほらソコ!」
イヤァ!という綾の悲鳴に、次元はニヤリと笑う。
「ほんっと底意地の悪い!」
綾はプリプリ怒って先へ行ってしまった。
「おい綾……」
声をかけたと同時に、ザザザッという木の葉が大きく揺れる音がした。
彼女の悲鳴が上がる。
「綾!」
腰からマグナムを引き抜いて駆け出した。
崖から転落。
大型動物に遭遇。
最悪なケースが頭をよぎり、背筋が凍る。
「綾!」
ふいに視界が開けたかと思うと、彼女の悲鳴の原因が判明する。
「……狩猟用のワナか」
「納得してないで助けてよ!」
頭上から怒ったような困ったような綾の声が降ってきた。
よくしなる木と細い弦を利用して作られた、獲物を宙吊りにするトラップに片足をとられ、空中に逆さ吊りになっている。
「いい眺めだな。タバコでも吸いたいところだ」
「バカなこと言ってないで、早く下ろして!」
綾は真っ赤になってスカートを押さえている。
「へいへい」
次元は木のつるを引っ張った。
(まだ乾燥していない。ってことは、作られて何年も経っていない……)
地面に下ろした綾をそのまま抱き寄せ、耳をすませて辺りの気配を探る。
何も感じられなかった。
このトラップを仕掛けた人間は、この島に次元たちがたどり着く少し前に脱出したか、精も魂も尽き果てて生きるのを放棄したか、どちらかだろう。
「次元……?」
神経を張り詰めていた次元は、綾の声で我に返った。
腕の中で、綾は怪訝そうに次元を見上げている。
「どうしたの?」
「いや。抱き心地が良いと思ってよ」
正直に話せば彼女を怖がらせるだけだと思い、次元はそう答えた。
彼女の目が驚きで一瞬大きくなり、それから落ち着かない様子で視線を泳がせる。
「海水で髪も服もゴワゴワなのに、よく言うよ」
綾は頬を染めながらも、照れ隠しに拗ねた顔をする。
そんな仕草がたまらなく愛おしくて、次元はギュッと綾を抱きしめた。
「ゴワゴワはお互い様だ」