ごめんね。
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「不二子のやつ、見舞いがダイヤってどーなの……」
郵便で届いたベルベットの小箱を手に部屋へ行くと、綾はベッドから立ち上がろうとしていた。
「あっ、」
「綾!」
バランスを崩して倒れそうになる彼女を慌てて抱きとめる。
小箱が床に放り出され、ダイヤが零れ落ちた。
「大丈夫か」
抱きとめた腕をゆるめて彼女の顔を覗き込む。
「ごめんね、大丈夫」
「無理するなよ。焦らず、ゆっくり治せばいいんだから」
「ルパン……」
「うん?」
綾は泣きそうな顔をして俺のシャツを握った。
負傷した方の足を気にしながら少し背伸びをする。
「好き。大好き」
彼女の唇が、俺の唇をかすめて頬で小さなリップ音をたてた。
嘘が下手だね、綾。
可愛いそのキスも、嘘の匂い。
その足が治ったら、君はきっと誰かのもとへ駆け出していくんだろう。
気づいているさ。
毎朝スタンドへ新聞を買いに出かける男を窓から眺めていたことも。
男が帰ってくると毎朝窓を見上げて君に挨拶を返していたことも。
「俺もだよ、綾」
でも、認めたくなくて。
彼女の言葉をそのまま信じていたくて、彼女の本心からは目を背けて。
「愛してる」
俺は彼女を強く抱きしめた。
おわり
郵便で届いたベルベットの小箱を手に部屋へ行くと、綾はベッドから立ち上がろうとしていた。
「あっ、」
「綾!」
バランスを崩して倒れそうになる彼女を慌てて抱きとめる。
小箱が床に放り出され、ダイヤが零れ落ちた。
「大丈夫か」
抱きとめた腕をゆるめて彼女の顔を覗き込む。
「ごめんね、大丈夫」
「無理するなよ。焦らず、ゆっくり治せばいいんだから」
「ルパン……」
「うん?」
綾は泣きそうな顔をして俺のシャツを握った。
負傷した方の足を気にしながら少し背伸びをする。
「好き。大好き」
彼女の唇が、俺の唇をかすめて頬で小さなリップ音をたてた。
嘘が下手だね、綾。
可愛いそのキスも、嘘の匂い。
その足が治ったら、君はきっと誰かのもとへ駆け出していくんだろう。
気づいているさ。
毎朝スタンドへ新聞を買いに出かける男を窓から眺めていたことも。
男が帰ってくると毎朝窓を見上げて君に挨拶を返していたことも。
「俺もだよ、綾」
でも、認めたくなくて。
彼女の言葉をそのまま信じていたくて、彼女の本心からは目を背けて。
「愛してる」
俺は彼女を強く抱きしめた。
おわり