LUPIN
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銀行の金庫を見た瞬間、これは無理だと悟った。
特殊合金の扉に、アナログとITを組み合わせた暗号セキュリティ。
何台ものカメラが一部始終を監視している。
(銀行員に変装しといて正解だったな)
だが、どう頑張っても金庫は開けられそうにない。
ルパンは早々に諦めて引き返すことにした。
途中、貸金庫に預入に来た老人に出会った。
捨てる神あれば拾う神あり。
ルパンは職員として対応し、宝石を手にすることができた。
しかし、獲物が現金から宝石に変わったことで、新たな問題が生じた。
石を換金する手段がない。
誰にも連絡がとれない以上、既存の販路は使えない。
(なんとか販路を確保しないと)
気だけが急いてしまう。
「ちょっと、オニーサン」
急に声をかけられて、危うくワルサーに手をかけるところだった。
振り向くと、髪を金髪に染めた娘が立っていた。
ポケットのワルサーを知ってか知らずか、両手を軽く上げて敵意のないことを示している。
「換金したいんだろ、その石。あたしが売ってやるよ」
そう言って片手を差し出してくる娘を、ルパンは胡散臭そうに見つめた。
娘は不満そうに睨み返してくる。
「そんな目で見んな。助けてやろうと思っただけだよ」
「……前払いなら」
「信用ないね。まぁ、当然か」
娘はため息をついて、リュックから紙幣を取り出した。
「たいした石じゃないから、こんなもんね」
妥当な金額だった。弱みに漬け込まれると思っていたルパンは拍子抜けした。
「……何、その顔。不満?」
「いや」
「これでもイロつけてあげたんだけど。今後もご贔屓にしてほしいからさ」
娘はイタズラっぽく笑ってルパンの手から宝石を取り上げる。
「あたしはレイ。あんたが何か大きな仕事でもやったら、また会いに来るよ」
レイはあっという間に姿を消した。
(大きな仕事、ね……)
歩きながらルパンは考える。
確かに、この金だけでは足りない。
(宝石店でも狙うか?)
などと思い巡らせていた時だった。
「ご通行中の皆様にお知らせします」
上から女性の声が降ってきた。
ビルの外壁に設えられた大型サイネージに、やや緊張した面持ちの女性が映し出されている。
あの時の子だと、すぐに分かった。
大人っぽく装ってはいるが、バス停で出会ったあの子に間違いない。
淡いピンクのスーツに、大人っぽいメイク。
口紅がキリッと引かれていて、やり手のバリキャリ風だ。
(女は化けるって言うけど、本当だねぇ)
近く開催される宝石展に自身のコレクションを展示すると言う。
(ふうん……)
ルパンは大画面に映る彼女の顔を見つめた。
時折、彼女の瞳が落ち着かなそうに画面外へとそれる。
(やっぱり可愛い……)
ルパンはクスリと笑い、名残惜しそうに彼女の顔を眺めててから、そっとその場を離れた。
特殊合金の扉に、アナログとITを組み合わせた暗号セキュリティ。
何台ものカメラが一部始終を監視している。
(銀行員に変装しといて正解だったな)
だが、どう頑張っても金庫は開けられそうにない。
ルパンは早々に諦めて引き返すことにした。
途中、貸金庫に預入に来た老人に出会った。
捨てる神あれば拾う神あり。
ルパンは職員として対応し、宝石を手にすることができた。
しかし、獲物が現金から宝石に変わったことで、新たな問題が生じた。
石を換金する手段がない。
誰にも連絡がとれない以上、既存の販路は使えない。
(なんとか販路を確保しないと)
気だけが急いてしまう。
「ちょっと、オニーサン」
急に声をかけられて、危うくワルサーに手をかけるところだった。
振り向くと、髪を金髪に染めた娘が立っていた。
ポケットのワルサーを知ってか知らずか、両手を軽く上げて敵意のないことを示している。
「換金したいんだろ、その石。あたしが売ってやるよ」
そう言って片手を差し出してくる娘を、ルパンは胡散臭そうに見つめた。
娘は不満そうに睨み返してくる。
「そんな目で見んな。助けてやろうと思っただけだよ」
「……前払いなら」
「信用ないね。まぁ、当然か」
娘はため息をついて、リュックから紙幣を取り出した。
「たいした石じゃないから、こんなもんね」
妥当な金額だった。弱みに漬け込まれると思っていたルパンは拍子抜けした。
「……何、その顔。不満?」
「いや」
「これでもイロつけてあげたんだけど。今後もご贔屓にしてほしいからさ」
娘はイタズラっぽく笑ってルパンの手から宝石を取り上げる。
「あたしはレイ。あんたが何か大きな仕事でもやったら、また会いに来るよ」
レイはあっという間に姿を消した。
(大きな仕事、ね……)
歩きながらルパンは考える。
確かに、この金だけでは足りない。
(宝石店でも狙うか?)
などと思い巡らせていた時だった。
「ご通行中の皆様にお知らせします」
上から女性の声が降ってきた。
ビルの外壁に設えられた大型サイネージに、やや緊張した面持ちの女性が映し出されている。
あの時の子だと、すぐに分かった。
大人っぽく装ってはいるが、バス停で出会ったあの子に間違いない。
淡いピンクのスーツに、大人っぽいメイク。
口紅がキリッと引かれていて、やり手のバリキャリ風だ。
(女は化けるって言うけど、本当だねぇ)
近く開催される宝石展に自身のコレクションを展示すると言う。
(ふうん……)
ルパンは大画面に映る彼女の顔を見つめた。
時折、彼女の瞳が落ち着かなそうに画面外へとそれる。
(やっぱり可愛い……)
ルパンはクスリと笑い、名残惜しそうに彼女の顔を眺めててから、そっとその場を離れた。
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