嵐を呼ぶレディ
Nawe Change
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フローラは思いのほか楽しそうにあちこちを眺め回していた。
「意外と綺麗に整えられているものなのですね」と、感心したように言う。
「片付いてないと船長に叱られますから」
「まぁ、あの方はリョウさんにも厳しくなさるんですか?」
フローラは目を丸くしている。
「いや、それはリョウさんにというわけではなくて……」アランが割って入った。
「船は狭い上に大人数ですから、片付いてないと有事の際、大怪我に繋がるんですよ」
ギャングウェーを歩く綾達に、デッキで作業中の乗組員達が帽子をとって挨拶をする。フローラはそれに笑顔を返す。
「皆さん、とても気さくなのですね。もっと気難しい方ばかりだと思っていました」
「それは多分、キャプテン次第だと思います」
綾が答えると、フローラは嬉しそうにゆっくり船内を見回した。
「この船の全てに、あの方のお人柄が現れているんだわ……」
目がキラキラと輝いている。
「初めてお会いしたのは、数年前の上様の園遊会でした。あの方は、誰よりも海の匂いがして、いつも厳しいお顔をなさっているのに、ふと子供のように笑うんです」
彼女の瞳はどこか遠くを見ていた。
「それ以来ずっと憧れていて。私がどれほど努力を重ねて、この船に乗る機会を得たか……お分かりになります?」
「エティエンヌ様は、」
「どうぞフローラと」
「フローラ様は、船長に恋をしているんですね?」
綾が口にすると、アランが咳払いをした。
「はっきりとものをおっしゃるのね、リョウさんは」
フローラは顔を赤らめている。
「すみません……おっと」
綾は足もとの出っ張りにつまづきそうになった。ひょいと飛び越えてフローラを見ると、アランに手を添えられて優雅に乗り越えていた。
(絵になるなぁ……)
綾は二人の様子をうっとりと眺めた。
「ありがとうございます、ミスタ・アラン」
「い、いえ! 当然です」
フローラに微笑まれて、アランは照れくさそうにしている。
(もしかして、キャプテン・アランはフローラ様が好きなのでは……?)
綾はふと考える。
私と船長が恋人のフリをして諦めてもらうより、キャプテン・アランとくっつくように仕向けた方がフローラ様も傷つかないのでは?
「リョウさん? 何を笑ってらっしゃるの?」
「いえ」
ハッとして顔を上げると、フローラは小首を傾げて綾を見ていた。
「何でもありません。行きましょう、フローラ様。お部屋へご案内します」
綾は笑って誤魔化した。
「意外と綺麗に整えられているものなのですね」と、感心したように言う。
「片付いてないと船長に叱られますから」
「まぁ、あの方はリョウさんにも厳しくなさるんですか?」
フローラは目を丸くしている。
「いや、それはリョウさんにというわけではなくて……」アランが割って入った。
「船は狭い上に大人数ですから、片付いてないと有事の際、大怪我に繋がるんですよ」
ギャングウェーを歩く綾達に、デッキで作業中の乗組員達が帽子をとって挨拶をする。フローラはそれに笑顔を返す。
「皆さん、とても気さくなのですね。もっと気難しい方ばかりだと思っていました」
「それは多分、キャプテン次第だと思います」
綾が答えると、フローラは嬉しそうにゆっくり船内を見回した。
「この船の全てに、あの方のお人柄が現れているんだわ……」
目がキラキラと輝いている。
「初めてお会いしたのは、数年前の上様の園遊会でした。あの方は、誰よりも海の匂いがして、いつも厳しいお顔をなさっているのに、ふと子供のように笑うんです」
彼女の瞳はどこか遠くを見ていた。
「それ以来ずっと憧れていて。私がどれほど努力を重ねて、この船に乗る機会を得たか……お分かりになります?」
「エティエンヌ様は、」
「どうぞフローラと」
「フローラ様は、船長に恋をしているんですね?」
綾が口にすると、アランが咳払いをした。
「はっきりとものをおっしゃるのね、リョウさんは」
フローラは顔を赤らめている。
「すみません……おっと」
綾は足もとの出っ張りにつまづきそうになった。ひょいと飛び越えてフローラを見ると、アランに手を添えられて優雅に乗り越えていた。
(絵になるなぁ……)
綾は二人の様子をうっとりと眺めた。
「ありがとうございます、ミスタ・アラン」
「い、いえ! 当然です」
フローラに微笑まれて、アランは照れくさそうにしている。
(もしかして、キャプテン・アランはフローラ様が好きなのでは……?)
綾はふと考える。
私と船長が恋人のフリをして諦めてもらうより、キャプテン・アランとくっつくように仕向けた方がフローラ様も傷つかないのでは?
「リョウさん? 何を笑ってらっしゃるの?」
「いえ」
ハッとして顔を上げると、フローラは小首を傾げて綾を見ていた。
「何でもありません。行きましょう、フローラ様。お部屋へご案内します」
綾は笑って誤魔化した。