嵐を呼ぶレディ
Nawe Change
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綾が自室に戻ると、じき扉がノックされた。
「船長から届けるよう言付かりました」
そう言ってウィル・スタークが運んできたのは、大小さまざまな箱の数々。
「ミスタ・スターク? これ何よ?」
「何って、見ればわかるでしょ。プレゼントですよ」
ウィルは箱に添えられた小さなカードを綾に示した。
<For My Dearest>
ウィルは部屋には到底入りきらないであろう数の箱を見事な手際で全て綾の部屋に収めると、
「ご幸運を」と、意味ありげな台詞を残して去って行った。
綾は手近な箱をいくつか開けてみた。
淡いブルーのドレス、クリーム色のワンピース、リボンのついた帽子……。
「こんな手の込んだことをして……どうせ拿捕した船から奪った戦利品かニコラの手作りでしょ」
と思ったものの、どれも綾好みのデザインだ。
「さすが船長……じゃない、そうじゃない」
綾は首を振ってデイキャビンへと向かった。
「船長!」
ドアを勢いよく開ける。
その音にキースは身構え、アーネストは本をお手玉した。
書き物をしていたシルバーが顔を上げ、やれやれといった顔をする。
「お前さんね、もう少しお淑やかにできないもんかね……ドアが壊れたらモリーにドヤされるぞ」
「ごめんなさい……じゃない、そうじゃない」綾は首を振って、手にしていたドレスをシルバーに突きつけた。
「何なんですか、コレは! 部屋にも沢山!」
「何って、」シルバーはペンを置いて立ち上がり、書類をアーネストに手渡した。
アーネストは一瞬だけ綾に目を向けて『今度は何をやらかしたんだ』とばかりにニヤッと笑い、デイキャビンを出ていった。
「……プレゼントだよ。愛しい恋人への、ささやかな贈り物だ」
シルバーはデスクのへりに腰かけ、脚を伸ばして足首で組み、綾の顔を見つめた。
「ささやか……」
キースが思わず口にしたのをシルバーは聞き漏らさなかった。
「何かね、副長?」
「いえ、何も」
睨まれたキースはピッと背筋を伸ばす。
綾はため息をついてシルバーを見上げた。
「足の踏み場もない量は、ささやかとは言いません」
「俺の気持ちを表すには、ささやか過ぎるくらいなんだが」
シルバーは綾に歩み寄り、不意に彼女の腰を抱き寄せた。綾は目を丸くして硬直する。
「あーあ、真っ赤になっちゃって」シルバーは喉の奥で笑った。
「可愛いな」
綾は視線を泳がせた。キースは目を逸らして素知らぬフリをする。
「わ、私……失礼します!」
綾はパッと頭を下げて、そそくさと出ていった。
「……逃げたな」
シルバーは楽しそうに押し殺したような笑い声を漏らしている。キースは彼を横目で見た。
「……やり過ぎでは?」
「仕方ないだろう、他に適任がいない。お前、やってくれるか?」
シルバーはキースを振り返った。
「丁重にお断りします」
「俺もお断りだがね」
シルバーは軽く笑ってデスクに戻った。キースは呆れ顔だ。
「しかし、彼女の性格からいって……バレませんか?」
「だから、こっちは本気でいく」
シルバーはデスクに肘をつき、両手を組んでキースを見上げた。その目が悪戯っぽくきらめく。
「本気で彼女を口説くんだ」
キースは目を丸くした。
「船長から届けるよう言付かりました」
そう言ってウィル・スタークが運んできたのは、大小さまざまな箱の数々。
「ミスタ・スターク? これ何よ?」
「何って、見ればわかるでしょ。プレゼントですよ」
ウィルは箱に添えられた小さなカードを綾に示した。
<For My Dearest>
ウィルは部屋には到底入りきらないであろう数の箱を見事な手際で全て綾の部屋に収めると、
「ご幸運を」と、意味ありげな台詞を残して去って行った。
綾は手近な箱をいくつか開けてみた。
淡いブルーのドレス、クリーム色のワンピース、リボンのついた帽子……。
「こんな手の込んだことをして……どうせ拿捕した船から奪った戦利品かニコラの手作りでしょ」
と思ったものの、どれも綾好みのデザインだ。
「さすが船長……じゃない、そうじゃない」
綾は首を振ってデイキャビンへと向かった。
「船長!」
ドアを勢いよく開ける。
その音にキースは身構え、アーネストは本をお手玉した。
書き物をしていたシルバーが顔を上げ、やれやれといった顔をする。
「お前さんね、もう少しお淑やかにできないもんかね……ドアが壊れたらモリーにドヤされるぞ」
「ごめんなさい……じゃない、そうじゃない」綾は首を振って、手にしていたドレスをシルバーに突きつけた。
「何なんですか、コレは! 部屋にも沢山!」
「何って、」シルバーはペンを置いて立ち上がり、書類をアーネストに手渡した。
アーネストは一瞬だけ綾に目を向けて『今度は何をやらかしたんだ』とばかりにニヤッと笑い、デイキャビンを出ていった。
「……プレゼントだよ。愛しい恋人への、ささやかな贈り物だ」
シルバーはデスクのへりに腰かけ、脚を伸ばして足首で組み、綾の顔を見つめた。
「ささやか……」
キースが思わず口にしたのをシルバーは聞き漏らさなかった。
「何かね、副長?」
「いえ、何も」
睨まれたキースはピッと背筋を伸ばす。
綾はため息をついてシルバーを見上げた。
「足の踏み場もない量は、ささやかとは言いません」
「俺の気持ちを表すには、ささやか過ぎるくらいなんだが」
シルバーは綾に歩み寄り、不意に彼女の腰を抱き寄せた。綾は目を丸くして硬直する。
「あーあ、真っ赤になっちゃって」シルバーは喉の奥で笑った。
「可愛いな」
綾は視線を泳がせた。キースは目を逸らして素知らぬフリをする。
「わ、私……失礼します!」
綾はパッと頭を下げて、そそくさと出ていった。
「……逃げたな」
シルバーは楽しそうに押し殺したような笑い声を漏らしている。キースは彼を横目で見た。
「……やり過ぎでは?」
「仕方ないだろう、他に適任がいない。お前、やってくれるか?」
シルバーはキースを振り返った。
「丁重にお断りします」
「俺もお断りだがね」
シルバーは軽く笑ってデスクに戻った。キースは呆れ顔だ。
「しかし、彼女の性格からいって……バレませんか?」
「だから、こっちは本気でいく」
シルバーはデスクに肘をつき、両手を組んでキースを見上げた。その目が悪戯っぽくきらめく。
「本気で彼女を口説くんだ」
キースは目を丸くした。