嵐を呼ぶレディ
Nawe Change
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「助けてキース、フローラ様の説得に失敗しちゃった!」
ロワーデッキにいたキースを見かけて、綾は声をかけた。
「そんな事だろうと思った」キースは小さく肩をすくめる。
「あのエティエンヌ卿の娘だ、簡単に諦める訳がない。船長会いたさにこんな所にまで来る位だからな。見上げた根性だ」
「褒めてる場合? ……まったく、他人事なんだから」
「他人事だ」
「私はそうはいかないのよ!」綾は頭を抱えた。
『可愛いのは諦めるんですかって、どういう意味でしたの?』なんて、痛くもない腹を探られて!」
「知るか。俺を巻き込むなよ、面倒くさい」
呆れた様に言い、キースは仕事に戻ろうとする。綾は口を尖らせた。
「キース、冷たーい!」
「最初からその『恋人のフリ』ってのが無理あんだよ……」
その時、クルー達の、どよめきとも呻き声ともつかない声が聞こえた。揺れが強くなる。
「おっと」ふらついた綾をキースが抱きとめた。「気をつけろ」
「ありがとう。ドレスは足捌きが悪くて」
「ああ、そういうことにしといてやる」キースはニヤリと笑った。
「レディ・エティエンヌを頼む。この揺れだ、船酔いしそうならドクターんとこ連れてけ」
「分かった」
綾は再びフローラを訪ねた。
「えっ、またいない⁉︎」
部屋は空っぽだった。慌てて踵を返したところに大きな揺れが来て、転ぶまいと踏み出した足でドレスの裾を踏み、バランスを崩して壁に叩きつけられた。
「っ……!」一瞬息が詰まる。しかしすぐに立ち上がり、自分の部屋に引き返した。
シルバーから贈られたドレスの山を押し除け、いつものセーラーを引っ張り出す。
ベルトをしめ、靴紐を結んで立ち上がった。
船長には申し訳ないけれど、お芝居どころではない。
「よし!」
意を決して綾はアッパーデッキに向かった。
ロワーデッキにいたキースを見かけて、綾は声をかけた。
「そんな事だろうと思った」キースは小さく肩をすくめる。
「あのエティエンヌ卿の娘だ、簡単に諦める訳がない。船長会いたさにこんな所にまで来る位だからな。見上げた根性だ」
「褒めてる場合? ……まったく、他人事なんだから」
「他人事だ」
「私はそうはいかないのよ!」綾は頭を抱えた。
『可愛いのは諦めるんですかって、どういう意味でしたの?』なんて、痛くもない腹を探られて!」
「知るか。俺を巻き込むなよ、面倒くさい」
呆れた様に言い、キースは仕事に戻ろうとする。綾は口を尖らせた。
「キース、冷たーい!」
「最初からその『恋人のフリ』ってのが無理あんだよ……」
その時、クルー達の、どよめきとも呻き声ともつかない声が聞こえた。揺れが強くなる。
「おっと」ふらついた綾をキースが抱きとめた。「気をつけろ」
「ありがとう。ドレスは足捌きが悪くて」
「ああ、そういうことにしといてやる」キースはニヤリと笑った。
「レディ・エティエンヌを頼む。この揺れだ、船酔いしそうならドクターんとこ連れてけ」
「分かった」
綾は再びフローラを訪ねた。
「えっ、またいない⁉︎」
部屋は空っぽだった。慌てて踵を返したところに大きな揺れが来て、転ぶまいと踏み出した足でドレスの裾を踏み、バランスを崩して壁に叩きつけられた。
「っ……!」一瞬息が詰まる。しかしすぐに立ち上がり、自分の部屋に引き返した。
シルバーから贈られたドレスの山を押し除け、いつものセーラーを引っ張り出す。
ベルトをしめ、靴紐を結んで立ち上がった。
船長には申し訳ないけれど、お芝居どころではない。
「よし!」
意を決して綾はアッパーデッキに向かった。