記憶のかけら
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「意外ですね。こんな所に来るなんて」
ゲームセンターのきらびやかな看板を見上げて私は言った。
「次元さん、ゲームとか苦手そうだし」
「誰が苦手だって?」次元さんは横目で私を睨んだ。
「そうやって相手を侮ってると、痛い目見るぜ」
「じゃあ、勝負してみます?」
「望むところだ」次元さんが不敵に笑う。
いつもの次元さんとは思えない本気の構え。
「そんな本気にならなくても……」
笑いながらそう言うと、次元さんは画面から目を離さずに返してきた。
「うるせぇ。負けっぱなしじゃ気がすまねぇんだよ」
「負けっぱなし……?」
その言葉に次元さんを仰ぎ見たが、その時音楽が流れ出し、慌てて視線を戻す。
画面が切り替わる。
私も次第に気分が高まっていく。
(この感じ、知ってる……)
遠くなっていく既視感を追いかけて、夢中で身体を動かす。スカートが大きく翻って、膝まで捲れ上がった。
「おい、そんなに足を……!」
次元さんの声がどこか焦ったように聞こえたけれど、それすらも無視して。
そして────
「やった! 勝ったー!」
大きく表示されたWIN!の前で、私はぴょんぴょん飛び跳ねる。
次元さんは顔を顰めてそっぽを向いた。
「……本気を出してなかっただけだ」
(あ……)
彼のそんな表情をどこかで見たことがある。そんな気がした。
(やっぱり、次元さんといると何かを思い出しそうになる)
心の奥で、懐かしい何かがまた、そっと揺れた。
その後立ち寄った小さなレストランは、パスタもピザも絶品だった。
食後のデザートを待ちながら、私は雑貨屋さんで買った可愛いペンを取り出して、紙ナプキンを引き寄せた。
「……できた」
次元さんは興味をそそられた様子で、身を乗り出して私の手もとを覗き込む。
「一応聞くが……これは何だ」
次元さんの人差し指が、私の描いた似顔絵に突きつけられた。
「ニット帽の次元さんです」
「似てねえよ」
「そんなことないです、ソックリです」
「お前な、帽子と髭さえ描けば俺になると思ってるだろ」
私の手からペンを奪って、今度は次元さんが私を描きはじめた。
私は彼の隣の席に移動して、その手もとを覗き込む。
「どうだ。上手いもんだろ」
「似てなーい。これなら私の方が上手いじゃないですか」
「お前な、よく見ろ。俺の方が特徴をよく捉えてるって」
「私のもよく見てくださいよ」
私はすっかり楽しくなって、声を上げて笑った。
こんなくだらないことを言い合って、笑い合って。
(こんな時間がずっと続けばいいのに……)
そう思いながら顔を上げた瞬間、至近距離で目が合った。
柔らかな灯りの下、笑っていた次元さんの表情が、ふっと真面目な色に変わる。
その目に見つめられて、私の胸がトクンと音を立てた。
ゲームセンターのきらびやかな看板を見上げて私は言った。
「次元さん、ゲームとか苦手そうだし」
「誰が苦手だって?」次元さんは横目で私を睨んだ。
「そうやって相手を侮ってると、痛い目見るぜ」
「じゃあ、勝負してみます?」
「望むところだ」次元さんが不敵に笑う。
いつもの次元さんとは思えない本気の構え。
「そんな本気にならなくても……」
笑いながらそう言うと、次元さんは画面から目を離さずに返してきた。
「うるせぇ。負けっぱなしじゃ気がすまねぇんだよ」
「負けっぱなし……?」
その言葉に次元さんを仰ぎ見たが、その時音楽が流れ出し、慌てて視線を戻す。
画面が切り替わる。
私も次第に気分が高まっていく。
(この感じ、知ってる……)
遠くなっていく既視感を追いかけて、夢中で身体を動かす。スカートが大きく翻って、膝まで捲れ上がった。
「おい、そんなに足を……!」
次元さんの声がどこか焦ったように聞こえたけれど、それすらも無視して。
そして────
「やった! 勝ったー!」
大きく表示されたWIN!の前で、私はぴょんぴょん飛び跳ねる。
次元さんは顔を顰めてそっぽを向いた。
「……本気を出してなかっただけだ」
(あ……)
彼のそんな表情をどこかで見たことがある。そんな気がした。
(やっぱり、次元さんといると何かを思い出しそうになる)
心の奥で、懐かしい何かがまた、そっと揺れた。
その後立ち寄った小さなレストランは、パスタもピザも絶品だった。
食後のデザートを待ちながら、私は雑貨屋さんで買った可愛いペンを取り出して、紙ナプキンを引き寄せた。
「……できた」
次元さんは興味をそそられた様子で、身を乗り出して私の手もとを覗き込む。
「一応聞くが……これは何だ」
次元さんの人差し指が、私の描いた似顔絵に突きつけられた。
「ニット帽の次元さんです」
「似てねえよ」
「そんなことないです、ソックリです」
「お前な、帽子と髭さえ描けば俺になると思ってるだろ」
私の手からペンを奪って、今度は次元さんが私を描きはじめた。
私は彼の隣の席に移動して、その手もとを覗き込む。
「どうだ。上手いもんだろ」
「似てなーい。これなら私の方が上手いじゃないですか」
「お前な、よく見ろ。俺の方が特徴をよく捉えてるって」
「私のもよく見てくださいよ」
私はすっかり楽しくなって、声を上げて笑った。
こんなくだらないことを言い合って、笑い合って。
(こんな時間がずっと続けばいいのに……)
そう思いながら顔を上げた瞬間、至近距離で目が合った。
柔らかな灯りの下、笑っていた次元さんの表情が、ふっと真面目な色に変わる。
その目に見つめられて、私の胸がトクンと音を立てた。