記憶のかけら
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その夜のことだった。
お風呂から出て髪をタオルで拭きながら廊下を歩いていると、次元さんの部屋のドアが開いていた。
覗き見するつもりはなかったけれど、通りすがる時にガタガタと音がしたので、つい目を向けてしまった。
次元さんはクローゼットを開けて何かを探しているようだった。
「あのう」
声をかけると、彼の肩がピクリと震えた。
「……何か、探し物ですか?」
「荷物を持って行く時に落ちてなかったか……?」
探し物の手を止めることなく、次元さんが言う。
「何がですか?」
私がそう訊ねると、次元さんは少し口ごもった。
「大事な写……」
言いかけて、ハッとしたように言葉を切る。そして私を見て、わずかに顔をしかめた。
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「……?」
何かを誤魔化すように、次元さんはクローゼットを乱暴に閉めた。
私は小さく首をすくめる。
(大事な……?)
何を言いかけたんだろう。
何を探していたの……?
彼の表情は、どこか落ち着かなそうに見えた。
自分の部屋に戻りながら、胸の奥がざわつくのを感じる。
『忘れてくれ』
────忘れられるはずがなかった。
お風呂から出て髪をタオルで拭きながら廊下を歩いていると、次元さんの部屋のドアが開いていた。
覗き見するつもりはなかったけれど、通りすがる時にガタガタと音がしたので、つい目を向けてしまった。
次元さんはクローゼットを開けて何かを探しているようだった。
「あのう」
声をかけると、彼の肩がピクリと震えた。
「……何か、探し物ですか?」
「荷物を持って行く時に落ちてなかったか……?」
探し物の手を止めることなく、次元さんが言う。
「何がですか?」
私がそう訊ねると、次元さんは少し口ごもった。
「大事な写……」
言いかけて、ハッとしたように言葉を切る。そして私を見て、わずかに顔をしかめた。
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「……?」
何かを誤魔化すように、次元さんはクローゼットを乱暴に閉めた。
私は小さく首をすくめる。
(大事な……?)
何を言いかけたんだろう。
何を探していたの……?
彼の表情は、どこか落ち着かなそうに見えた。
自分の部屋に戻りながら、胸の奥がざわつくのを感じる。
『忘れてくれ』
────忘れられるはずがなかった。