危険物と生ものはお送りできません(仮)
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あの後、五エ門は戻っては来なかった。
車の助手席に座った綾は、名残惜しそうにアジトを見つめていた。
2人は言葉を交わさなかった。
綾は窓の外を流れる景色を見ていた。
次元はタバコをふかし、時折独り言のようにカーナビの案内に文句を言った。
車は順調に進んでいた。
交通量が増して市街地が近くなってくると、綾がため息をついた。
膝の上で重ねた手を、硬い表情で見つめている。
仔細ありげなのだが、彼女は何も語ろうとしない。
次元はタバコを灰皿に擦りつけた。
路肩に寄せて車を止めると、綾が顔をあげた。
不思議そうな顔で次元を見る。
「ずっと走りっぱなしだったからな。ちょいと休憩だ」
次元は道路の向かい側にある自動販売機を指差した。
「何か飲みたいモンはあるか?」
「あ、いえ……なんでも」
その時、次元のポケットで携帯が鳴った。
五エ門だった。
「お前のアニキからだ」
「出てください。飲み物は私が買ってきます」
綾はシートベルトを外した。
自販機へと駆けていく綾を見送ってから、次元は通話ボタンを押した。
五エ門の落ち着いた声が聞こえる。
「次元か」
その一言だけで、何か面倒な事になりそうだと直感した。
「お前の妹、見送りもなしで随分と寂しそうだったぜ」
「すまん。拙者と一緒にいると思わせて、できるだけ引きつけておこうとしたのだが、すぐに見破られてしまった」
『やっぱりヤバい仕事なんじゃねぇか』
そう思ったが、口から出たのは全然違う言葉だった。
「……誰が綾の身代わりを?」
怖いもの見たさに聞いた次元に、五エ門は重々しく「不二子だ」と答えた。
「見破られるに決まってんだろ……」
次元は片手で頭を抱えた。
車の助手席に座った綾は、名残惜しそうにアジトを見つめていた。
2人は言葉を交わさなかった。
綾は窓の外を流れる景色を見ていた。
次元はタバコをふかし、時折独り言のようにカーナビの案内に文句を言った。
車は順調に進んでいた。
交通量が増して市街地が近くなってくると、綾がため息をついた。
膝の上で重ねた手を、硬い表情で見つめている。
仔細ありげなのだが、彼女は何も語ろうとしない。
次元はタバコを灰皿に擦りつけた。
路肩に寄せて車を止めると、綾が顔をあげた。
不思議そうな顔で次元を見る。
「ずっと走りっぱなしだったからな。ちょいと休憩だ」
次元は道路の向かい側にある自動販売機を指差した。
「何か飲みたいモンはあるか?」
「あ、いえ……なんでも」
その時、次元のポケットで携帯が鳴った。
五エ門だった。
「お前のアニキからだ」
「出てください。飲み物は私が買ってきます」
綾はシートベルトを外した。
自販機へと駆けていく綾を見送ってから、次元は通話ボタンを押した。
五エ門の落ち着いた声が聞こえる。
「次元か」
その一言だけで、何か面倒な事になりそうだと直感した。
「お前の妹、見送りもなしで随分と寂しそうだったぜ」
「すまん。拙者と一緒にいると思わせて、できるだけ引きつけておこうとしたのだが、すぐに見破られてしまった」
『やっぱりヤバい仕事なんじゃねぇか』
そう思ったが、口から出たのは全然違う言葉だった。
「……誰が綾の身代わりを?」
怖いもの見たさに聞いた次元に、五エ門は重々しく「不二子だ」と答えた。
「見破られるに決まってんだろ……」
次元は片手で頭を抱えた。