ボツコニアン
name change
無題
(ヒロインはルパン一味に拾われた少女で、五エ門が溺愛しているという設定。)
「五エ門?」
小さな声がした。心臓にヒヤリと冷たいものが走る。
「ボツ子っ、来るな!」
五エ門が叫ぶ。
「えっ?」
ボツ子は驚いて立ちすくむ。
「ど、どうしたの?」
「来るな。逃げろ!」
「え、でも……」
五エ門はボツ子をかばうようにして前に立つ。
「誰だ!」暗闇の向こうに怒鳴った。
「姿を見せろ!」
「断る」
声とともに暗闇に閃光が走った。咄嗟に五エ門は刀を抜く。
キン、と高い金属音。足もとにスローイングダガーが転がった。
「五エ門!」
ボツ子が叫ぶ。
「ボツ子、行け!」
「でも」
「早く! ……くっ」
再び閃光と金属音が闇夜に響く。五エ門は刀で相手の攻撃を受けるが、その勢いに押され、後ろに飛び退いた。
ボツ子はその場に立ちすくみ、五エ門から目がはなせない。
「五エ門……」
「行け!」五エ門は再び叫んだ。
ボツ子は躊躇しながらも走り出す。背後から金属のぶつかり合う音が響いてきて、思わず足が止まる。
「ボツ子、走れ!」と再び叫ぶ声。
ボツ子はその声に勇気づけられるように再び走り出す。
五エ門の声も剣戟の音も遠くなり、やがて聞こえなくなった。
しばらく走ると足がもつれ、這い出していた木の根につまづいて地面に倒れ込んだ。
「誰かっ……!」
助けを呼ぶが、周囲の闇は深く、ふいに恐怖に捕らわれて動けなくなる。
「お願い、助けて!」と叫ぶ声は闇の中に吸い込まれる。
その時、ボツ子の前にひとりの男が現れた。
男の目は冷たく、殺気に満ちている。
ボツ子は恐怖で身動きもできず、ただ自分に向けられた銃口を見つめていた。
「ボツ子っ!」
低い声とともに横から伸びた腕がボツ子の身体を引き寄せ、共に地面を転がった。
「耳塞げ!」
直後、続けざまに2つの銃声。
ひとつは、さっきまでボツ子が立っていた場所にめり込み、もうひとつはボツ子に向けられていた銃を弾き飛ばしていた。
「何モンだ、おたく」
そう言いながら、男に向かって銃を突きつけていたのは次元だった。
「…………」
男は答えず、そのまま闇に紛れるように姿を消した。
次元は銃を下ろし、大きく息を吐いた。
ボツ子に手を差し出しながら「怪我はないか?」と尋ねる。
「うん……ありがとう、次元」
ボツ子は立ち上がり、次元に抱きついた。
次元は優しく彼女の肩に手を置いて、「もう大丈夫だ」と小さな背中をさすってやった。
「五エ門はどうした? 一緒じゃなかったのか?」
「五エ門……そう、五エ門が!」
ボツ子は慌てて周囲を見渡した。しかし既に自分がどっちから来たのかすら分からなくなっていた。
「どうしよう次元! 五エ門が危ないの!」
ボツ子はオロオロしながら次元に縋りついた。
次元は冷静さを失わないようにしながら、状況を整理する。
「とにかく落ち着いてくれ、嬢ちゃん。騒ぐのは危険だ」と次元は言った。
「あの男たちの目当てはお前さんだ。五エ門を殺したって意味がない」
「それじゃ……」
「奴は生きてるさ。ただ、この暗闇の中を探し回るのは危険過ぎる。明日、明るくなってからにしようぜ」
「でも……」
ボツ子は後方の暗闇へと視線を向けて、下山を渋った。
次元は天を仰いでため息をついた。
「五エ門、怒るなよ」
呟いてから、次元はボツ子を抱き寄せた。ボツ子は小さく息を呑む。
「大声は上げるな。位置がバレる」
耳もとで告げると、ボツ子は両手で口を覆い、コクコクと頷いた。
「良いか。現状、数が多い敵さんの方が有利だ。五エ門を探したいなら、今はおとなしく撤退しろ。幸い暗闇が味方してくれている」
ボツ子は両手で口を覆ったまま、次元を見上げた。その目は怯えてはいるが、強い意志で満ちている。次元はボツ子の目を見つめ、安心させるように力強く頷いた。
ボツ子は小さく頷き、次元の胸に頬を預けた。
「良い子だ」
次元はボツ子の手をとると、ゆっくりと歩き出した。
おわり
ボツ理由:夢で見たこのシーンしか書けなかった。このシーンに繋がる前後の話をいまだに思いつかない。誰か、私にアイデアをください。
(ヒロインはルパン一味に拾われた少女で、五エ門が溺愛しているという設定。)
「五エ門?」
小さな声がした。心臓にヒヤリと冷たいものが走る。
「ボツ子っ、来るな!」
五エ門が叫ぶ。
「えっ?」
ボツ子は驚いて立ちすくむ。
「ど、どうしたの?」
「来るな。逃げろ!」
「え、でも……」
五エ門はボツ子をかばうようにして前に立つ。
「誰だ!」暗闇の向こうに怒鳴った。
「姿を見せろ!」
「断る」
声とともに暗闇に閃光が走った。咄嗟に五エ門は刀を抜く。
キン、と高い金属音。足もとにスローイングダガーが転がった。
「五エ門!」
ボツ子が叫ぶ。
「ボツ子、行け!」
「でも」
「早く! ……くっ」
再び閃光と金属音が闇夜に響く。五エ門は刀で相手の攻撃を受けるが、その勢いに押され、後ろに飛び退いた。
ボツ子はその場に立ちすくみ、五エ門から目がはなせない。
「五エ門……」
「行け!」五エ門は再び叫んだ。
ボツ子は躊躇しながらも走り出す。背後から金属のぶつかり合う音が響いてきて、思わず足が止まる。
「ボツ子、走れ!」と再び叫ぶ声。
ボツ子はその声に勇気づけられるように再び走り出す。
五エ門の声も剣戟の音も遠くなり、やがて聞こえなくなった。
しばらく走ると足がもつれ、這い出していた木の根につまづいて地面に倒れ込んだ。
「誰かっ……!」
助けを呼ぶが、周囲の闇は深く、ふいに恐怖に捕らわれて動けなくなる。
「お願い、助けて!」と叫ぶ声は闇の中に吸い込まれる。
その時、ボツ子の前にひとりの男が現れた。
男の目は冷たく、殺気に満ちている。
ボツ子は恐怖で身動きもできず、ただ自分に向けられた銃口を見つめていた。
「ボツ子っ!」
低い声とともに横から伸びた腕がボツ子の身体を引き寄せ、共に地面を転がった。
「耳塞げ!」
直後、続けざまに2つの銃声。
ひとつは、さっきまでボツ子が立っていた場所にめり込み、もうひとつはボツ子に向けられていた銃を弾き飛ばしていた。
「何モンだ、おたく」
そう言いながら、男に向かって銃を突きつけていたのは次元だった。
「…………」
男は答えず、そのまま闇に紛れるように姿を消した。
次元は銃を下ろし、大きく息を吐いた。
ボツ子に手を差し出しながら「怪我はないか?」と尋ねる。
「うん……ありがとう、次元」
ボツ子は立ち上がり、次元に抱きついた。
次元は優しく彼女の肩に手を置いて、「もう大丈夫だ」と小さな背中をさすってやった。
「五エ門はどうした? 一緒じゃなかったのか?」
「五エ門……そう、五エ門が!」
ボツ子は慌てて周囲を見渡した。しかし既に自分がどっちから来たのかすら分からなくなっていた。
「どうしよう次元! 五エ門が危ないの!」
ボツ子はオロオロしながら次元に縋りついた。
次元は冷静さを失わないようにしながら、状況を整理する。
「とにかく落ち着いてくれ、嬢ちゃん。騒ぐのは危険だ」と次元は言った。
「あの男たちの目当てはお前さんだ。五エ門を殺したって意味がない」
「それじゃ……」
「奴は生きてるさ。ただ、この暗闇の中を探し回るのは危険過ぎる。明日、明るくなってからにしようぜ」
「でも……」
ボツ子は後方の暗闇へと視線を向けて、下山を渋った。
次元は天を仰いでため息をついた。
「五エ門、怒るなよ」
呟いてから、次元はボツ子を抱き寄せた。ボツ子は小さく息を呑む。
「大声は上げるな。位置がバレる」
耳もとで告げると、ボツ子は両手で口を覆い、コクコクと頷いた。
「良いか。現状、数が多い敵さんの方が有利だ。五エ門を探したいなら、今はおとなしく撤退しろ。幸い暗闇が味方してくれている」
ボツ子は両手で口を覆ったまま、次元を見上げた。その目は怯えてはいるが、強い意志で満ちている。次元はボツ子の目を見つめ、安心させるように力強く頷いた。
ボツ子は小さく頷き、次元の胸に頬を預けた。
「良い子だ」
次元はボツ子の手をとると、ゆっくりと歩き出した。
おわり
ボツ理由:夢で見たこのシーンしか書けなかった。このシーンに繋がる前後の話をいまだに思いつかない。誰か、私にアイデアをください。