第4話
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「綾。綾」
囁くような呼びかけに私は顔を上げた。
ジョンが大股でリビングを突っ切って近づいてきたのを、信じられない思いで見つめた。
「無事か?」
彼は私のそばに片膝をついた。
私は呆然と彼を見上げる。
「どうしてここに?」
ここはルパンのアジト。誰も知らないはずだ。
「最近頻発した歪みの発生源を重ね合わせて分析した結果、ここが判明した。遅くなってすまなかった」
「スミスさんは一緒じゃないんですか」
「ルパンがかなりの歪みを引き起こしていて、修正が追いつかずに亀裂となっている箇所が複数見つかった。スミスにはそれを処理する作業に当たらせている」
「亀裂……?」
「紙を無理にねじれば破けるだろう、それと同じだ。世界も歪みがひどくなれば裂け目ができる。裂け目の向こうは何も存在しない。真空と同じで、あまり裂け目が大きくなるとやがてこの世界を飲み込んでしまうだろう。だからスミスに応急処置に行かせた」
「⁉︎」私は息を呑んだ。
「稀に他の世界の亀裂に近い別部分に裂け目が出来ると、向こうの生物がこちらにやってきたりもする。無害なヤツなら良いが、こればっかりは運だ」
「そう、ですか……」
理解がまったく追いつかない。
イギリスのドラマみたいに、地球征服を狙うエイリアンたちが各地で出現……みたいなことが起こるのだろうか。本当に?
「ルパンはどこに?」
ジョンは警戒しながら慎重に辺りを見回した。
私はハッとして目を見開いた。
「さっきまでここで、あの……話をしていたんですけど……」
言いかけた私の前にジョンが手をかざした。
鋭い視線で部屋の一角を睨む。
彼の視線を追うと、リビングの入口にルパンが立っていた。
「何か用か? 人様の家に勝手に入り込んで」
ルパンはリビングの入り口を塞ぐようにドア枠に寄りかかっていた。
どこかつまらなそうに足元を見ているその目はいつもより冷たい光をはらんでいて、私を落ち着かない心持ちにさせる。
私がジョンに助けを求めたと、そう思われただろうか。
「綾は返してもらう」ジョンは私を背後に庇いながら低い声で言った。
「そいつは出来ない相談だな」ルパンは顔を上げてジョンを見た。
……いや、違う。
「綾は俺にとっても大事な女だ」
彼の目は、ジョンの肩越しに真っ直ぐ私を捉えていた。
囁くような呼びかけに私は顔を上げた。
ジョンが大股でリビングを突っ切って近づいてきたのを、信じられない思いで見つめた。
「無事か?」
彼は私のそばに片膝をついた。
私は呆然と彼を見上げる。
「どうしてここに?」
ここはルパンのアジト。誰も知らないはずだ。
「最近頻発した歪みの発生源を重ね合わせて分析した結果、ここが判明した。遅くなってすまなかった」
「スミスさんは一緒じゃないんですか」
「ルパンがかなりの歪みを引き起こしていて、修正が追いつかずに亀裂となっている箇所が複数見つかった。スミスにはそれを処理する作業に当たらせている」
「亀裂……?」
「紙を無理にねじれば破けるだろう、それと同じだ。世界も歪みがひどくなれば裂け目ができる。裂け目の向こうは何も存在しない。真空と同じで、あまり裂け目が大きくなるとやがてこの世界を飲み込んでしまうだろう。だからスミスに応急処置に行かせた」
「⁉︎」私は息を呑んだ。
「稀に他の世界の亀裂に近い別部分に裂け目が出来ると、向こうの生物がこちらにやってきたりもする。無害なヤツなら良いが、こればっかりは運だ」
「そう、ですか……」
理解がまったく追いつかない。
イギリスのドラマみたいに、地球征服を狙うエイリアンたちが各地で出現……みたいなことが起こるのだろうか。本当に?
「ルパンはどこに?」
ジョンは警戒しながら慎重に辺りを見回した。
私はハッとして目を見開いた。
「さっきまでここで、あの……話をしていたんですけど……」
言いかけた私の前にジョンが手をかざした。
鋭い視線で部屋の一角を睨む。
彼の視線を追うと、リビングの入口にルパンが立っていた。
「何か用か? 人様の家に勝手に入り込んで」
ルパンはリビングの入り口を塞ぐようにドア枠に寄りかかっていた。
どこかつまらなそうに足元を見ているその目はいつもより冷たい光をはらんでいて、私を落ち着かない心持ちにさせる。
私がジョンに助けを求めたと、そう思われただろうか。
「綾は返してもらう」ジョンは私を背後に庇いながら低い声で言った。
「そいつは出来ない相談だな」ルパンは顔を上げてジョンを見た。
……いや、違う。
「綾は俺にとっても大事な女だ」
彼の目は、ジョンの肩越しに真っ直ぐ私を捉えていた。