第4話
name change
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まぶしくて目を開けると、見知らぬ天井が目に入った。
ぼんやりしたままあたりを見回す。
私は簡素なベッドに横たわっていた。
寝返りを打って布団の中で丸くなりながら、寝ぼけた頭で昨日のことを思い出す。
えーと、宝石展でルパンを捕まえ損ねて、私は逆にルパンに攫われて……。
『俺と一緒に来るよな?』
彼の言葉が脳裏に蘇る。
一気に目が覚めて、私はガバッと飛び起きた。
レースのカーテン越しに柔らかな日差しが室内の中ほどまで差し込んでいた。私の部屋ではない。見たことのない部屋だ。
ベッドから飛び出して窓の外を見ると、見慣れない町並みが広がっていた。景色から場所を特定することはできない。
「どうしよう……」
たとえ場所が特定できたとしても、それをジョンたちに伝える手段がないことに気づいて、私はその場にへたり込んだ。
「おはよーさん」陽気な声がして、ドアが開いた。ルパンは私を見て、にっこり笑った。
「よく眠れたか?」
聞くまでもないだろう。あんなに色々あって、疲れないわけがない。今の今までグッスリだった。
「お陰様で」
「うわー、それ嫌味?」ルパンはニヤニヤしている。
「ま、いいや。朝メシ食うだろ?」
朝メシ。その単語にいち早く反応したお腹が空腹を訴えてキュウッと鳴いた。
空気を読まないお腹で恥ずかしい……。
「腹は素直だな」ルパンはクスクス笑って、私を部屋の外へと促した。
「沢山食べな」と目の前に出されたオムレツとトーストの乗ったお皿。
私は恐る恐るオムレツを口に運んだ。おいしい。ものすごくおいしい!
「どうだ?」
顔を上げると、ルパンは楽しそうにニヤニヤ笑っている。私は無表情に戻って黙々とナイフを動かした。
「嫌われたもんだなー」
ルパンは肩をすくめてテーブルを離れた。
いや、嫌ってなんかいない。大好きなんだけど……。
だからむしろ夢のようなんだけど……。
『世界が壊れる』
スミスの言葉を思い出すと、無邪気に喜んでもいられない。
しばらくすると、コーヒーのいい香りが漂ってきた。ルパンがコーヒーを淹れているらしい。
どうやらここは彼のアジトのようだった。
昨日のジョン達の計画は失敗に終わった。宝石ではなく、なぜ私だったのだろう。なぜ私を攫う必要があるの?
疑問は尽きない。何か目的があるに違いないのだけれど……。
両手にマグカップを持ってきたルパンが私の向かい側に座った。カップのひとつを私の前に置く。
「気になるか? なんで俺が君を攫ったのか」
私はぎくりとして、コーヒーカップに伸ばしかけた手を止めた。
「そ、れは……」
ルパンはコーヒーを1口飲んで続けた。
「1人より誰かいた方が、楽しいだろ?」
「えっ」
それだけ?
「女の子は良いね。いるだけでなーんか部屋ん中が明るくなるし。俺の相棒なんか口を開けば文句ばーっか」
私はテレビで見たルパンと次元のやりとりを思い出して笑った。
「次元は貴方を心配してるんですよ」
それを聞いたルパンの顔から笑みが消えた。
「なんで奴を知ってる?」
彼の声色が変わって、私はうろたえた。
「な、な、なんでって言われても……」
ずっと見てきたから、なんて言える訳がない。私は答えに窮した。
「…………」
「まーたダンマリか」
ルパンは肩をすくめると、立ち上がった。私は彼の顔を見上げる。
「あ、あの……?」
「良いさ。それならそれで」
ルパンが私を見た。視線がぶつかる。
「どちらが先に折れるか、根比べといこうぜ」
ぼんやりしたままあたりを見回す。
私は簡素なベッドに横たわっていた。
寝返りを打って布団の中で丸くなりながら、寝ぼけた頭で昨日のことを思い出す。
えーと、宝石展でルパンを捕まえ損ねて、私は逆にルパンに攫われて……。
『俺と一緒に来るよな?』
彼の言葉が脳裏に蘇る。
一気に目が覚めて、私はガバッと飛び起きた。
レースのカーテン越しに柔らかな日差しが室内の中ほどまで差し込んでいた。私の部屋ではない。見たことのない部屋だ。
ベッドから飛び出して窓の外を見ると、見慣れない町並みが広がっていた。景色から場所を特定することはできない。
「どうしよう……」
たとえ場所が特定できたとしても、それをジョンたちに伝える手段がないことに気づいて、私はその場にへたり込んだ。
「おはよーさん」陽気な声がして、ドアが開いた。ルパンは私を見て、にっこり笑った。
「よく眠れたか?」
聞くまでもないだろう。あんなに色々あって、疲れないわけがない。今の今までグッスリだった。
「お陰様で」
「うわー、それ嫌味?」ルパンはニヤニヤしている。
「ま、いいや。朝メシ食うだろ?」
朝メシ。その単語にいち早く反応したお腹が空腹を訴えてキュウッと鳴いた。
空気を読まないお腹で恥ずかしい……。
「腹は素直だな」ルパンはクスクス笑って、私を部屋の外へと促した。
「沢山食べな」と目の前に出されたオムレツとトーストの乗ったお皿。
私は恐る恐るオムレツを口に運んだ。おいしい。ものすごくおいしい!
「どうだ?」
顔を上げると、ルパンは楽しそうにニヤニヤ笑っている。私は無表情に戻って黙々とナイフを動かした。
「嫌われたもんだなー」
ルパンは肩をすくめてテーブルを離れた。
いや、嫌ってなんかいない。大好きなんだけど……。
だからむしろ夢のようなんだけど……。
『世界が壊れる』
スミスの言葉を思い出すと、無邪気に喜んでもいられない。
しばらくすると、コーヒーのいい香りが漂ってきた。ルパンがコーヒーを淹れているらしい。
どうやらここは彼のアジトのようだった。
昨日のジョン達の計画は失敗に終わった。宝石ではなく、なぜ私だったのだろう。なぜ私を攫う必要があるの?
疑問は尽きない。何か目的があるに違いないのだけれど……。
両手にマグカップを持ってきたルパンが私の向かい側に座った。カップのひとつを私の前に置く。
「気になるか? なんで俺が君を攫ったのか」
私はぎくりとして、コーヒーカップに伸ばしかけた手を止めた。
「そ、れは……」
ルパンはコーヒーを1口飲んで続けた。
「1人より誰かいた方が、楽しいだろ?」
「えっ」
それだけ?
「女の子は良いね。いるだけでなーんか部屋ん中が明るくなるし。俺の相棒なんか口を開けば文句ばーっか」
私はテレビで見たルパンと次元のやりとりを思い出して笑った。
「次元は貴方を心配してるんですよ」
それを聞いたルパンの顔から笑みが消えた。
「なんで奴を知ってる?」
彼の声色が変わって、私はうろたえた。
「な、な、なんでって言われても……」
ずっと見てきたから、なんて言える訳がない。私は答えに窮した。
「…………」
「まーたダンマリか」
ルパンは肩をすくめると、立ち上がった。私は彼の顔を見上げる。
「あ、あの……?」
「良いさ。それならそれで」
ルパンが私を見た。視線がぶつかる。
「どちらが先に折れるか、根比べといこうぜ」