雨が一層ひどくなった。


綾は一番最初に見つけたロードハウスで車を停めた。

　
モーテルにレストラン、売店、ガソリンスタンドなどが一緒になった複合施設だ。


次元は綾を車に残して車を降りた。


部屋がとれるか確認すると、あいにく1部屋しか空いていない。


車に戻りその事を告げると、綾はあっけらかんとして言った。


「何を気にしているの？　大丈夫よ、わたし貴方の寝首をかいたりなんかしないから」


「俺が襲う事は考えないのか」


「貴方が？」


綾は一瞬目を丸くして次元の顔を見つめたかと思うと、次にはコロコロと笑い声をあげた。


「私を殺すつもりなら、もうとっくにやってるでしょ？」


そういう意味じゃねぇ。


次元は呆れ返って彼女を見た。