「綾……」


何とか説得してあきらめさせようと次元が口を開いた時、今まで黙って聞いていたルパンが感極まった声で叫んだ。


「綾ちゃんは偉い！」


ルパンは感動していた。


揺るがない瞳。力強い言葉。


心と体に傷を負いつつも、彼女は気丈にも敵に立ち向かう決心をしている。


「痛みに耐えてよく頑張った！感動した！」


相撲を観戦したかつての総理大臣みたいなことを叫び、ダァーッと涙を流し、ずるずると鼻水をすすりながらルパンは続ける。


「困ったことがあったら何でも俺達に言いな！　俺達にできる事ならもう、なーんでもやってあげるから！」


ルパンはいつの間にかベッドサイドにやってきて次元を押しのけ、綾の手を握った。


綾はポカンとしてルパンを見つめる。