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ぽて。ぽてぽて。
そんな効果音がつきそうな現状の元就を見て五十鈴は熱っぽいを溜息を吐いた。
「はあ…かわいい…」
一体何が起こったのかは分からないが、朝起きたら元就の身体が縮んでいたのだ。
それも五十鈴の両手にすっぽりと収まりそうなサイズに。
可愛い、と五十鈴はそう呟いて、元就を抱き上げると、もっちもちと頬をつついた。
「ぬ…!や、やめぬかばかもの!」
「はぁ…可愛い…その姿で凄んでも全く怖くないよ」
よしよし、と頭を撫でると、やめろと言わんばかりに頭を振る元就が酷く愛らしい。
ああ、なんて可愛い。
「~~!」
堪らず五十鈴は元就を強く抱き締めた。
「なっ…なんぞ!や、やめぬか!」
バタバタと暴れる元就を宥めるように撫でて、すりすりと頬ずりをする。
「はぁあ……可愛い…」
五十鈴は熱の籠った溜息を吐くと、うりうりうり、と効果音がつきそうな程撫でてやる。
「ぬ……!」
拗ねたようにふい、と顔を背ける元就を、五十鈴は微笑まし気に見据えると、その頬にちゅ、とキスを落とす。
「な……!?」
「ふふふ…ごめんね拗ねないで?」
「拗ねてなど…っ!?」
その瞬間。ぼふん、という盛大な音を立てて白い煙が元就を包んだ。
「っ……!?な、何!?」
ずしりと重たい感覚。間近に見える音がしないのが不思議な程の長い睫毛。息づかいが感じられる程に近い、この状況は。
「っ……元、就?」
「なんぞ」
今のこの状況は非常に不味いのではないだろうか。いくら元就が華奢であるとはいえ、五十鈴よりもはるかに体型のいい元就を支えられる筈もなく。所謂押し倒されているような状況で。
「っ……!」
「五十鈴」
先程はよくもやってくれたなと黒い笑みを浮かべる元就を見て、さあっと血の気が引くのが分かった。
「だ、って!も、元就が可愛かったからつい…」
「ほう?言い訳はそれだけか?」
あっやばいこれ私死んだ。
「え…っ待って待ってごめんねって!」
「許さぬ」
ぐい、と元就に顎を引かれると、唇が重ねられて。
腹部に滑り込んで来る冷たい元就の手の感覚にくらりと眩暈がする。
「(ああ、もう…)」
やっぱりこうなってしまった。
「五十鈴」
いつもより甘い元就の声にあてられて。思考が回らない。
いくら可愛くても元就は元就で。きっとこうなる事さえ予想していたのだろう。
「元、就」
そう名前を呼べば、顔に浮かべた笑みを元就は深くして。
ああ、また私は彼の策に嵌まってしまったのね。
「油断したな」
(油断は禁物)
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